あまり期待しないで読んだのだけど(失礼)、ちゃんと面白かった(これも失礼)。
『江利子と絶対』は引きこもりの話らしいのだけど、あまり引きこもってない感じがするのはなぜだろう。どことなくベタな部分もありつつ、でも江利子さんが飛び降りるところで、この本を買って良かったなあと思った。あ、でも、絶対君(犬)の不幸さに関しては、なんか、無理して不幸にしてる気が少ししたかなあ。『NHKにようこそ!』より面白かったです(比べるのもヘンな気もするが)。
『生垣の女』は面白くなかった。やり過ぎというか、気合が空回りしてる感じというか。
『暗狩』。わりとジュブナイル的なのが好きで、たとえば宮部みゆきの『ステップファザー・ステップ (講談社文庫)』とか大好きなのだけど、そういう意味でも面白かった。幼い子供たちが遊ぶうららかな公園で読んでたので余計にそう思ったのかも(笑)。最後の方のドライブ感とか良かったです。僕は基本的にミステリが好きな人なので、最後の最後で大どんでん返しで実は認識のトリックが云々とか、そういうハッピーなエンドだと嬉しいなあと思ってましたが、そううまくは行きませんでした。もちろん、それはそれで良いと思うのだけどね。早熟な小6の子とかに読ませてみたい気がしました。
それにしても、この本の担当編集者は、もっと頑張った方が良いと思うなあ。もっと面白い作家だろうに。賞仕込むことぐらいした方が良いような(出来レースを仕込むという意味じゃなくて、賞に受けさせて話題作るとか、そういうぐらいの意味ね)。
- 作者: 本谷有希子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 単行本
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★★★★☆:面白かった本