「うーん」と、自己嫌悪してしまうときがある。
そう、仕事のメールが届いたり勉強してる分野のブログの更新通知が来たり技術的に気になるニュースのタイトルを見たときだ(「そう」とか言われても困るかもですが)。
だれから来たんだろうとか誰が書いてるんだろうということよりも、これを読んだら僕が追い付けてない情報が満載だったり、読んだ結果僕よりとてもすごい人たちがいるのを再確認してしまったり、そういう自己肯定感だだ下がりというか、まあ要するに「はー」と切なくなるので読めなくなるわけ。あ、仕事のメールは少し違くて、このメールを開けてしまうと次に何かする必要が出てくるわけで、果たして自分にそれができるのかとか、ちゃんと締切に間に合うのとか、そういう不安に駆られてそもそもメールを開けなくなってしまう。「いや開けよ仕事なんだから」。はいはいそうですね。ごめんなさいねダメ感満載で。って話はさておき。
「よめなくなる」というのがやはりこの問題に共通する根幹部分にあって、でもわかっててもどうしても進めなくなる自分がいて、もう何年も「なんとかしなきゃ」と思ってた。
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Duolingoでトルコ語をかじってる関係で、先日、トルコ生まれのタスク管理手法でビル・サイファというものがあることを知った。
ええと、Weblioによると。
ビル・サイフファ(トルコ語で「1ページ」という意味)は、オスマン帝国のメフメト2世が採用した、どのページでも良いからまず1ページ取りかかることでタスクを進める戦略。2020年代に入り、先延ばし癖を治すためのタスク管理手法としても注目され始めている。
同じくWikipedia。
ビル・サイファ(トルコ語: Bir Sayfa)は、オスマン帝国のメフメト2世が採用した戦略で、トルコ語で「1ページ」を意味する。古代トルコ系騎馬民族の「馬をまず一歩進める」教えに基づき、1453年のコンスタンティノープル攻略で用いられた。どのページでも良いのでまず1ページに取りかかるというシンプルな考え方が、現代ではタスク管理の手法としても注目されている。英語圏では、「Bir Sayfa, Beer Safer」というキャッチコピーで、タスクを1ページずつ進め、完了後にご褒美を楽しむ手法としても使われている。
「ちょっとでいいからまずやってみる」はわりとよく聞く話なんだけど、ここでキモになってるのは「どのページでも良いので」の部分。何が大事かを選ばないから「とりあえずやってみる」との相性は良いし、「何が重要か」と頭を悩ますコストもない。「何が重要か」を考えて結局手を付けないままになってしまう損失の方が、「とりあえずやってみる」ことでちっとも重要じゃないものをやってしまったときの損失より、高いと考えてるわけですね。
まあそれに、それでも何を選んで良いかわからないときは、サイコロ振って選べばいいしね。
イスラーム的に言うと「インシャーアッラー」って感じかな?
「もし神が望んだならば」って意味で、未来のことを言うときに使うみたいですね。
イスラームは賭博を禁止してるけど、賭博じゃないことならサイコロを振ってもいいみたい。
なのでみなさんもビル・サイファするときに「とりあえず」で何を選ぶか迷ったらサイコロを振ると良いですよ。
僕はいまGPTで高性能なサイコロを作ることを考えていて、乱数って実はちゃんとしたものを作るのがけっこう大変で、どういうことかというと「適当」にやろうとするとけっこう「適当」じゃないことが紛れ込んでしまって、卑近な例で言うと「サイコロの目をランダムに6個言ってみて」とか言われたときに「1と1と1と1と1と1」とは答えないわけじゃないですか。「5と4と1と3と4と2」みたいに、「ちゃんとバラバラな結果」を言いたくなるでしょ?どっちも出る確率同じなんだけどね。
とにかく、溜まったタスクはひとまずどれでもいいから手を付けて、あとは手を付けてから考えるのがビル・サイファってことですね。むしろデフォルトでサイコロを振ることに決めちゃってもいいかもしれない。
では、最後に公式サイトに書いてある「ビル・サイファの教え ~ギョクテュルクの知恵とメフメト2世の戦略的洗練~」をコピペしときますね。
ギョクテュルクの教え ~馬の一歩目がすべての始まり
古代トルコ系騎馬民族であるギョクテュルク(引用者註:突厥のこと)は、広大な領土を移動しながら戦う生活を送っていた。彼らは「まず馬を一歩前に進めること」こそが、行動の始まりであり、次の道が見えてくると信じていた。リーダーたちはこう語った。
「馬の一歩目がすべてだ。戦いでも旅でも、どこから始めても良い、まずは動き出せ。動けば次の道が見えてくる」
この教えは、状況の全体像が不明確でも、まず動くことで次の行動が見えてくるという考え方に基づいていた。ギョクテュルクの戦士たちは、これを戦術の基本に据えて成功を収めていた。
メフメト2世と「ビル・サイファ(Bir Sayfa)」~古代の教えを適用した戦略
時は15世紀。オスマン帝国のメフメト2世は、かつての騎馬民族の教えを深く学び、これを洗練させて活用していた。特に、ギョクテュルクの「まず一歩を踏み出す」教えを受け継ぎ、それをオスマン帝国の戦略の中に組み込んだ。
彼が特に重視したのが、「ビル・サイファ(Bir Sayfa)」という考え方だった。これは「1ページを意味するトルコ語」であり、膨大な情報や複雑な状況に直面した際に、すべてを理解しようとせず、まず1ページから始めるという戦略である。メフメト2世は、「どのページからでも良い。まず行動を起こすことが成功への第一歩だ」という古代の教えを、自らの戦略として応用した。
1453年、コンスタンティノープル攻略においても、彼はこの「ビル・サイファ」の教えを活用した。膨大な情報と複雑な城壁の構造に直面した彼の軍は、全体を把握するのではなく、まず1ページを開いて一部に集中することを命じられた。
メフメト2世は、彼の祖先であるギョクテュルクの「まず馬の一歩目を進める」という教えを元に、「まず1ページから取りかかる」という戦略を採用した。彼の軍隊は、特定の最も重要な情報を探すのではなく、まず手にした1ページの情報をもとに行動を開始し、それをもとに次の戦略を立てた。
「ビル・サイファ(Bir Sayfa)。すべてを理解する必要はない。まずはどれか1ページを開いて、行動に移すのだ」
この戦術により、オスマン軍はまず城壁の一部に攻撃を集中させ、そこから次第に全体の攻略を進めていった。最終的に、コンスタンティノープルは陥落し、オスマン帝国は新たな時代を迎えた。
「ビル・サイファ(Bir Sayfa)」の教えの広がり
メフメト2世によって洗練された「ビル・サイファ(Bir Sayfa)」の教えは、古代トルコ系騎馬民族の知恵をオスマン帝国の時代に応用したもので、どのページからでもまず始められるという点で、すべてを一度に理解するのではなく、まず行動を起こすことの大切さを強調している。この教えは、戦略や行政の中でオスマン帝国全土に広まり、成功を収めるための基本原則となった。
現代での応用 ~「Beer Safer」コンセプト
近年では、この「ビル・サイファ」の教えが英語圏でも注目を集めている。特に、タスク管理やプロジェクト遂行において、「まず1ページから始める」というシンプルな考え方が多くのビジネスパーソンや学習者に支持されている。
さらに、ユーモラスな要素として「Beer Safer」というコンセプトも登場している。「ビル・サイファで1ページずつタスクをこなしていけば、全てが終わった後には『ビールを安全に楽しむ時間』、つまり『Beer Safer』が待っている」という形でモチベーションを上げようというわけだ。仕事や勉強を1ページずつ進め、最終的にビールでリラックスするという考え方は、英語圏で特に人気を集めている。
とまあ、これ全部作り話なんですけどね。いちおう最初の4行で「うそだよ」って縦読みできるように書いときました。
でもこの「取りかかれない」問題、つまり「わかっててもどうしても進めなくなる」問題は本当で、特に前の会社(正確に言うと前の前の前の会社)をやってた最後のころ、本当に全然仕事のメールが読めなくて迷惑をかけまくりだった。いまもビジネスチャットをなかなか開けないときがあって、いや、なんかやばいよね。
というわけで「こういうことに困ってるんだよね」とChatGPTに相談して「何かいい手法とかないもんかね」→「ないなら作るか!」と一緒に考えたのがビル・サイファ。内容としてはありきたりだけど名前を付けることで概念としてとらえやすくなって、実際問題今日はいつもより「とりあえず」ができてる気がするなあ。ビジネスチャットの通知欄を0にできたし。このまま続けばいいけどね。
この話を同僚にしたら「ひとりでえらい方向に歩いて行ってますね!」と言われたけど、いいんです。とりあえず一歩が大事ってギョクテュルクの人も言ってた。僕の捏造だけどね。
まあ、自分用に作ったタスク管理手法だから、とりあえず自分で使ってみようかなと。
先のことだからどうなるかわからんけどね。
つまるところ「インシャーアッラー」って話ですな。
P.S.
「どれでもいいから」を強調すると、たとえばZar Sayfaというネーミングも可能みたい。「サイコロのページ」って意味。でもこれだとタスク完了で食べれるのが「ざるそば」になるってのがアレですね。
ネットの辛辣な人の感想
なっっっが。まず、お前のその「トルコ語勉強してますアピール」が一番どうでもいいわ。誰が気にするんやその背景説明w
で、ビル・サイファ?お前本気でそんな名前付けちゃったの?完全に「インシャーアッラー」で片づけてるけど、サイコロ振ってタスク選べって話なら、もうタスク管理すら諦めろや。どうせどれも大してやらんのやろ?そんなノリで仕事やってる奴がビジネスチャットの通知ゼロにしたって、明日にはまた山盛りやで。先延ばし癖っていうか、ただの現実逃避やん。
ちな、トルコ語で1ページ進める手法?いや、そんなん誰でも思いつくからw お前がChatGPTに相談して生まれたとか言ってるけど、それは普通に誰でも「やれ」って話やで。名前付けて、ちょっと捻ってるように見せかけても、やることは変わらん。やってる感出して満足してるだけやん。草。
てか、仕事のメール読めんとか、その時点でアウトやん?「読めなくなる」って、お前、ただのサボり癖やんか。そんなんで「自己肯定感下がる」とか言ってる暇あったら、さっさと片付けた方が早いやろ。それともお前、未来のメール読める機能でも搭載しとるんか?ええんか、それで?
まぁ…それでもビジネスチャットの通知ゼロにできたんやったら、ほんのちょっとは頑張っとるんやろな。頑張れや(そこだけは)。
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英語版(落語風)
It was another lively day at Jiipii-tei when Hattsu-an came bursting in, looking as pleased as a cat who just found the fish market.
Hattsu-an: Oi, Goinkyo! You won’t believe the groundbreaking discovery I’ve made!
Goinkyo: Oh? And what marvel have you stumbled upon this time, Hattsu-an?
Hattsu-an: It’s called 'Bir Sayfa'! A Turkish method to end procrastination! I tell you, this is going to change everything!
Goinkyo: Bir Sayfa, you say? Turkish, eh? Do enlighten me.
Hattsu-an: Well, it means 'just start with one page.' You don’t need to plan or think about what’s important. Just pick up anything and start from there! It’s even said that Mehmet II used this to conquer Constantinople!
Goinkyo: Oh, Mehmet II, you say? Conquering cities one page at a time? Quite impressive.
Hattsu-an: That’s right! Instead of getting overwhelmed, you just open a page and get going! And if you’re not sure where to start, you throw dice and let luck guide you. Easy, right? This is the secret to productivity, Goinkyo!
Goinkyo: Ah, I see. Dice and random pages, is it? Quite the clever system, Hattsu-an. But… did you know?
Hattsu-an: Eh? Know what?
Goinkyo: That 'Bir Sayfa'... well, how do I put this... it doesn’t exist.
Hattsu-an: Doesn’t exist?! What do you mean, Goinkyo?! It’s real! I’ve been telling everyone about it! Even the fishmonger said he might try it!
Goinkyo: Ah, that’s my doing. You see, a while back I was trying to teach Yotaro how to stop sitting around and actually do some work. So, I made up this whole 'Bir Sayfa' method just to give him a push. I figured if he thought it was an ancient, mystical technique, he’d give it a try. And, well... it seems it caught on.
Hattsu-an: So… you're telling me… you invented 'Bir Sayfa'?!
Goinkyo: That’s right! It was all a bit of fun, but now it’s spread all over Edo! The tofu seller’s talking about it, the carpenter down the street thinks it’s a real secret to success... Why, I even heard a storyteller using it in his tales!
Hattsu-an: I don’t believe it! All this time I thought I’d uncovered something big! And it’s just some story you made up?
Goinkyo: Indeed, but it seems to be working, doesn’t it? Folks are getting things done, and that’s what matters, right?
Hattsu-an: Well, I suppose so... But now everyone’s gonna think I’m a fool for spreading it around!
Detchi, ever ready with the punchline, jumps in:
- The 'Bir Sayfa' method: a fake, but it gets things moving!
- Just start anywhere and let fate, or dice, guide you.
- And the best part? It doesn’t even need to be real to work!
Goinkyo: Turns out, Hattsu-an, the only thing more effective than the method is the story behind it!
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