萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

『バルーン・タウンの殺人』

東京都第七特別区、通称バルーン・タウン。人工子宮が一般化した世界の中で、それでも敢えて母体での出産を望む女性たちが暮らす、あらゆる犯罪とは無縁の長閑な別天地――の筈なのに、なぜか事件は次々と起きる。前代未聞の密室トリックや暗号〈踊る妊婦人形〉など、奇妙な謎に挑む妊婦探偵・暮林美央の活躍を描いて賞賛を受けた連作集。

やっぱりね、設定が楽しい本が好きなのです僕は。たぶんプログレ好きなところと、ある意味共通するのだろうけれど。しかし、そういう、いわゆるミステリ的な楽しみもありつつ、かたやこれほど妊娠やらジェンダーやらについて考えるハメになった本もなかった。ジェンダーな本とか読むわけじゃないけど、それでもたまにそういうのに目を通すときに思ってた「考えるの面倒さ感」とか「考え過ぎなんじゃないかなあ感」とか、そういうのを感じることなく、それ系のアレコレについて考えられて良かったですよ。

もちろん本格としての読み応えも最高だと思いました。

バルーン・タウンの殺人 (創元推理文庫)

バルーン・タウンの殺人 (創元推理文庫)

★★★★★:人にも勧めたい本