萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

『奇跡を起こした村の話』

たぶんこの「ちくまプリマー新書」ってのは、中高生向けなんだろうなあと思う。目次に、各章のあらすじが書いてあるのは、なかなか工夫してて良い感じ。

高度成長という魔物から食い物にされないように、次々と新しい試みによって村を活性化させ続けた黒川村の話。すごい村もあったもんだ。ちょっと語り口調が古い感じはするのだけど、それでも、楽しく読めました。経営センスを持った村長がいれば、過疎なんて恐れるに足らずだと。ただ、ね、すべての村に、卓越した経営センスを持った村長を求めるというのは現実的ではないわけで、という考え方に陥るのは似非マネージャー病だと思うので自分的に注意しようっと。別にいいじゃんね、求めても。

ただ、あおっておいて、最後に、そんな黒川村も合併の魔の手からは逃れられなかった話をするのは如何なものか。なーんてのは嘘で、たぶんそれを言いたかったんだろうな。そこの落差を出すために、1冊書いたんだと思いましたよ。

タイトルには奇跡とあるけれど、奇跡なんてものはなくて、そこにあるのは地道な軌跡だけ。と、うまいことを言ってみました(うまくなかったらごめん)。

奇跡を起こした村のはなし (ちくまプリマー新書)

奇跡を起こした村のはなし (ちくまプリマー新書)

★★★★☆:面白かった本