小田嶋隆/テレビ標本箱 (中公新書ラクレ (231))
テレビにツッコミを入れる本。ナンシー関亡き後の、みたいな話が前書きにも書いてあった覚えがある。
なんだろう、著者が自分のことを頭良く見せたい感じ?t.A.T.u.と推定少女の類似性を指摘してたのがなんか笑った。ツッコミを入れる対象として組織に意識が行きがちなのは、やはり著者が男子だからかな。
オリバーサックス/妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)
やはり人の頭というのは不思議だなと思う。
嗅覚がなくなったのに臭いを感じるようになった話とか、計算はできないのに20桁の素数がわかる双子の話とか。
小学館ドラえもんルーム/ドラことば心に響くドラえもん名言集
泣きポイントが多過ぎたので、電車で読むの断念。と思ったら、泣きポイントが多かったのは最初の章だけだった。
みんなのドラことばを募集してるんだけど、10代前半もいれば40代もいる。すごいね。
中島敏、平林慶史、出雲充/「東大に入る」ということ「東大を出る」ということ
ボクサーうざい。
僕も学歴社会を批判するなら東大行ってからだろとは思ったし、多少の反骨心もなかったとは言わないが、それより、どっちかってーとゲームみたいな感じ。あと多分ブランド指向。
途中までしか読めなかった感じ。
香山リカ/老後がこわい (講談社現代新書)
いろいろ面白かった。どっかの業者の「天国へのお引越しのお手伝い」というキャッチはすごいなと思った。
北尾トロ/裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)
ヤングアダルトのところで紹介した気分はもう、裁判長 (よりみちパン!セ)の大人版(たぶん逆)。大人版なのでもうちょい下世話。ま、感想は同じような感じかな。
でも、確かに、一度ぐらいは傍聴してみた方が良いんだろうなあ。文句言うなら、それからだよね。
のり・たまみ/へんなほうりつ
裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)でも思ったけど、1ページに入ってる情報量が少な過ぎますわ。なんかこう、テレビでフリップをめくるような感じで本を読むというのはどうなんだろう。なぜ日本人は劣化したか (講談社現代新書)にあったように、やっぱり日本人は劣化してるんだろうかねえ。演出として、デカい文字で書くというのはわかりつつ、そう思ったよ。
ま、そんなこと書きつつも、昔の本とかって読みにくいと思うから、僕も同じなのかもしれないけど。
さておき、面白い法律はやっぱりあるなあと思ったのが、ガムが違法だったり、おっぱい祭とかちんこ祭とかあったり。あと芦屋の豪邸しか建てちゃいけない条例とか、東京のAVに勧誘しちゃいけない条例とか。後者は、渋谷を歩いてる限り、全然守られてない気がするけど。
ただねえ、こういう本って、最初は面白いんだけど、どんどん読んでるうちに慣れてきちゃって、面白くなくなってくるんだよねえ。
でも、欄外の小ネタもちょっと面白いものはあって、たとえば69人も子供を生んだロシア人がいたそうな。すごいね。
枡野浩一/ドラえもん短歌
すごい面白かった。昔は、それぞれの貴族たちが共通の文学やら美術やらの土台に立った上で、和歌を競い合っていたと思うんだけど、それが現代だと何かと考えると、ドラちゃんなのかもしれないなということで。
ジャイアンまわりのコンボがわりと好きだったかな。
あと、切ない系のとかも。
とり・みき/街角のオジギビト
どんな本かというと、街にあふれるオジギビトをいろいろ収録した本。と言われてもわからないと思うけど、表紙を見るとわかるかな。
なんか昭和風な香りがしたけど、2007年の本だったそのことにびっくり。
こんなにいろんなオジギビトがいるとは知らず、面白かった。
しかし、なんであの絵を何種類も描くんだろうね。ひとつ作ればそれで良いような気がするけど。ま、それじゃ面白くないんだけどね。
泉谷玄作/花火の図鑑
読んだのは夏(そりゃそうだ)。図書館のオススメコーナーに置いてあった。花火博士になるための本。なかなか綺麗。いろんな花火が分類して紹介してある。昼の花火が結構面白かった。花火の写真の撮り方の詳細も載ってる。
ナンシー関、リリー・フランキー/小さなスナック (文春文庫)
ナンシーさんの最後の対談集。リリーさんの文庫版あとがきの最後の1行がとても良かった。
パオロ・マッツァリーノ/つっこみ力 (ちくま新書 645)
ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検すると逆に(?)、データを盲信するなとか、インセンティブばかやろうとか、そんな感じの本。たぶん。
つっこみ力には、笑いと愛と勇気が必要だそうで、たしかに、その通りだと思った。
エンディングの感じとか含め、面白いエッセイでした。
反社会学講座も面白く読んだ覚えがある。
チュチュンヨン/韓国陸軍、オレの912日―いま隣にある徴兵制 (オフサイド・ブックス)
面白かった。ぐいぐい読ませる。
体育会系という意味では、食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫)の本と似てる読後感ではある。とかいうと、軍隊は命かかってるとか言われそうだけど、宗教も命はかかってますね。ただ、自分から望んで行くか、徴兵されるかという、ものすごく根本的な違いはあるけれど。
ただ、この本の紹介が「爆笑ノンフィクション」というのはどうかなあ。面白いし、笑えるのも確かだけど、笑って読んでちゃダメな気はする。でもあえて笑って読むのが正しい気もする。
鴻上尚史/孤独と不安のレッスン
ふと図書館で見つけた。こういうネタで鴻上尚史はどう書くんだろうと。
だいたい他の本と似たような感じではあるけれど(あたりまえ)、「レッスン」ということで区切りごとに「まとめ」が載っていたり、演出家ということで身体に近いところの話があったり、あと、鴻上らしく恋愛の話があったり。
最後に詩が載ってたのも面白かったかな。
金子みすずの詩(こことかにあります)は、他でも見たころあるけれど、たしかにこの本のテーマと共通してて、良いところに載せたなという感じ。
奥田祥子/男はつらいらしい (新潮新書)
男側のジェンダーの話。
- 結婚できない男たち
- 更年期の男たち
- 相談する男たち
- 父親に「なりたい」男たち
最初の方に載ってた「花婿学校」の人があまりにもムカつく感じだったので、イヤな本だなと思っていたけど、他は面白かった。
花婿学校の人は、客をバカにするのを止めた方が良いと思う。
ジェンダーだけじゃなく、セックス(身体的な性)も大事だなと思った。
大正時代の身の上相談 (ちくま文庫)
現代と大正時代は似てるという話を何かで読んだ気がするが、やたら処女をありがたがる以外は、そうかもなあと思った。なんか、相談を受ける方の女性記者と思われる人のコメントがいちいち面白い。そして、そのコメントへツッコミを入れる、現代の編集者(?)のツッコミも、時を越えたツッコミという点でなかなか。
が、それより、解説がわりと面白かった。
そしてそれより、各章の終わりに差し込まれる、大正時代の文学からの引用が、異様に良かった。
毒のある植物 (カラーブックス (612))
その名の通り、毒のある植物の図鑑。
「やがて息ができなくなります」とか「全身が痙攣します」とか「体が動かなくなります」とか、そういう中毒症状を淡々と書いてある。
全部が図鑑みたいな感じではなく、後半には、「毒から薬への道」と題して、ケシやコカ、トリカブトなどが、どうやって使われ、研究されてきたかが載ってた。良い。
島泰三/安田講堂 1968‐1969 (中公新書)
なーんか、全然面白くなかった。12ページぐらいでギブアップ。
梅佳代/男子
出世作なのかな。
期待しすぎたのか、いまいち。素敵な写真は、いろいろあったけど。それはきっと、僕が元男子だからのような気がする。男子を見ることに対してファンタジーがないというか。
賽銭箱の前でメンチ切ってた男子がなんかモテそうだと思った。ムカつく(笑)。
内澤旬子/世界屠畜紀行
ネタは面白いのだけど、「私、進んでるでしょ?」みたいなニュアンスがちょっとなあ。私たちは食べないと生きて行けないから、屠畜の現場を見なくてはと、まあ、わかるんだけど、じゃあプログラムも勉強すれば良いと思うんだよね。コンピュータなしじゃ、もう生きて行けんよ。
イヤな感じがするのは、多分、差別する側にたいする想像力がないから(もしくは、気付かないフリをしてるから)。このスタンスで書いても、溝は深まるばかりな気がするのだよね。中途半端に差別のこと書くくらいなら書かない方が。もしくは前半、単に紹介、比較文化、そしてある程度なじんだところでガンと、とか。ま、だめか。
新保信長/東大生はなぜ「一応、東大です」と言うのか?
この本を本屋で見かけたとき「ああ、言ってた」みたいに思った。
で、なんでしょう、うーん、いろいろ自分的に痛い。僕の場合中退だし、もう年齢も年齢なので、あまり関係ないといえば関係ないけど、でも、以前、大学に通いながら行ってた音楽の専門学校でバンド組まされたときは、バンドの人たちから「東大くん」とか呼ばれて悲しかったし、会社作ったあとにとある場所で会った早稲田卒(たぶん。で、ここで「たぶん」とか言っちゃうのがまた東大っぽいんかな)の編集者から「東大生は挫折を知らない」とか言われたり、いろいろ東大の呪縛みたいなのはあるんだよね。まあ、一番の呪縛は、こんな本を読んでしまってることだろうけれど。
そして、これを読んで、わりあい著者が「でも東大といってもさ、普通だよ」みたいなスタンスだったのに対し、「でも、あんた文学部でしょ?」という、ものすごい東大生っぽい感想を持ったのが、自分でも「うーん」って感じ。でもまあ、東大オブ東大ってきっと官僚の人たちだろうし、大人になっても東大卒ってことに意味を持つ人たちこそ、真の東大卒の人たちなんだろうなあ。
ところで、この本、エンディングがものすごかった。