続いて本です。
実録!平成日本タブー大全 (別冊宝島Real)とか
マンガ嫌韓流も読んだことだし、こういうのも読んでみるかと思い読んでみたけど、やっぱりこういうのを読むと、なんか悲しい気持ちになってしまう。
唐沢俊一/壁際の名言
いわゆる「名言」の美辞麗句からは逆サイドにある名言集。まあでも、普通に名言集といえば名言集なわけですが。
ニヤリとさせられる名言が多くて面白かった(覚えてないけど←こらこら)。
それにしても「巧言令色少し仁」って言葉がすでに巧言な気がしますよね。
山崎ナオコーラ/人のセックスを笑うな
一応読んどくかぐらいの気持ちで読んだけど、意外と面白かった。
これ、40前の女の人と若い男子の恋の話なんだけど、書いてる人は若い女の人なのね(無知でごめん)。それがまず意外だった。主人公と同じくらいの年の女の人が書いて、同世代の女性が共感、みたいな話かと思ってたので。
なんというか、良い具合に純で、良い具合に肉体的で、そのあたりのバランスが素敵なのかな。
なかなか切ない感じだった。
新保信長/笑う入試問題
東大生はなぜ「一応、東大です」と言うのか?を読んだあとに結局同じ著者つながりでこんなの読んでて自分でも何だかなとは思う。
で。
入試問題ってくだらないよねー的なネタで、マニアックすぎる問題に笑ったり、逆に学生をバカにしてるほどの簡単な問題にツッコミを入れたり。が、取り上げられていたネタの1/3ぐらいは、僕的には良い問題のような気はした。ただ、それを受験生に求めるのは辛い気はするけど。このあたりが、大学の教官と世間とのズレなんだろうね。
が、この本、面白いのは入試問題にツッコミを入れてる第1章ではなく、現在の受験についていろいろと取り上げてる第2章。東洋大学のガンバリとか、なかなかすごいと思ったし、亜細亜大学の一芸入試について、全然勘違いしてることも知った。けん玉で一芸入試つっても、別に面接の場でけん玉やるわけじゃないらしいよ。
入不二基義/哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)
笑う入試問題とは逆に、そのツッコミどころがある入試問題に、とことん向きあってみようという本。
4問の、哲学者の文章を使った現国の入試問題について、かなり詳細な読み込みを行う。で、入試問題作成者の誤読や、予備校の正解例に見る誤読などを取り上げると。
なかなか面白いが、久しぶりに頭使って読んだ本。
取り上げられている文章は、実在論に絡む話で、未来というものは存在するのかとか、過去論のいろいろとか、結構、刺激的だった。かなり良い本だと思う。
戸梶圭太/なぎら☆ツイスター
タイトルが面白いと思っただけで読んだので、こういう、ヤクザの抗争っぽい話とは思ってなかった。
暴力ネタがちょっと僕には辛いし、人をいろいろと見下してるセリフとかはイヤなんだけど、お話としては面白かった。最後の方で解けると思った謎が、一旦複雑になってからほどけるのが面白い。
でも、こういうの(田舎をバカにした感じの話)って、本当に田舎に住んでる人は、どういう気持ちで読むんだろうな。
そんで、結局タイトルの意味はわからんかった。
戸梶圭太、もういっこぐらい読んでみるかと思っています。
高橋宣行/コンセプトメイキング 変化の時代の発想法
ガラっと変わってビジネス書。
ちょっとテンションが落ち気味のときに読んだんで、こういう躁っぽい本は辛かったんだけど、この本の基本の図がわりと良い感じだったような気がするんで、ま、良かったかな。
ただ、実際のいろいろな成功例について図解で説明するのって、結局後付けで何でも言えると思うし、逆に失敗例について、どうダメだったのかとか言えれば良いような気も。とか言いつつ、でもやっぱり、結局のところは運の要素もあるだろうから、難しいとは思うけど。あとこれ読んで思ったのは、コンセプトとか考えるときは、ネガティブイメージを持たない方が良いのかなと。ブレストするときに、あえて反論しないのと一緒で。
たかしよいち, 小泉澄夫/日本人はどこからきたか (とおい昔の謎をとく)
知り合いと縄文人の話になり、「日本人はどこからきたか」という本を読んでるという話だったので、図書館で借りてみた。借りてみたら、小学生向けの本で、さすがに辛かった。で、その後調べたら、「日本人はどこからきたか」という本は、いろいろある模様。正解は、日本人はどこからきたか (講談社現代新書 265)だったみたい。
ダン・シモンズ/ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)、ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)で長門有希がキョンに渡してた本(だったと思う)。
それぞれの登場人物の語りで構成されている小説で、個々の話については、未来における宗教の話とか、グローイング・ダウン (講談社文庫)みたいな話とか、ほしのこえ [DVD]みたいな話とか、わりと面白くはあったんだけど、全体的に、よくわかんなさすぎた。
なんだろう、たぶん用語とか覚えられないのが大きい。
そんでこの本、完結してないらしい。
先に言えっての。
4部作らしいけど、読む気力、あるかな。
カトリックの人の話で「アンドロイドは原罪を侵していない」とう話がちょっと面白かった。あとこれ読んでから、ジョン・キーツの名前をよく見かけるようになった。結構有名な人だったのねえ(この小説のタイトルの「ハイペリオン」はジョン・キーツの詩から取られている)。
禅グノーシス宗ってのが登場したけど、どんな宗教なんだ・・・。
内海慶一/ピクトさんの本
なかなかくだらなくて面白かった。街角のオジギビトと似てるけど、こっちの方が絵もオシャレだし、海外物件が面白いし、コメントも山田隆夫的だし(山椒は小粒でピリリと辛いということ)、良いんじゃないかな。
まあ、ちょっとノリ過ぎてる文章もあるけど、わりに好き。
BNNが出してるって事実が面白い(ピクトグラム絡みだからということらしい。なんだそれ。笑)。
そして10刷ってすごい。
稲垣美晴/フィンランド語は猫の言葉 (講談社文庫)
著者がフィンランドの大学に留学したときの話。なんだかすごくキュートな本だった。とても楽しい。そして、文庫版でのあとがきが、本文と年齢差がある感じがまた、怒られそうだけど面白かった。
フィンランド語に興味なくても、たぶん面白いと思う。
ところでウビフ語って言葉は、子音が80個もあって、母音2個しかないそうです。ものすごい・・・。が、Wikipediaによると、この本が出たあとに、ウビフ語の最後の話者は亡くなってしまったらしい。なんとまあ。
アルボムッレ・スマナサーラ/般若心経は間違い? (宝島社新書)
スリランカの人、つまり大乗仏教ではない初期仏教というか上座部仏教というか、そういう立場の人からの般若心経批判本。
なるほどと思うこともあったんだけど(菩薩である観音が阿羅漢である舎利子に説教するのは違うという話とか)、わりと「そうかなあ」とか「ちょっと強引なんじゃないの」とか思う部分があり。特に空と無について批判してるところって、あまり空とか無とか知らないけれど、なんか、違うような気がした。阿頼耶識とかは、もう全然わかんないからアレだけど。
あと、細かい話は忘れたけど「たとえば『この木には1万2千枚の葉っぱがあります』と言われても、そんなことに意味はないわけです」とか書いてあったけど、意味あるだろうと思った。それに、縁起の考え方からすると、それが1万3千枚じゃなくて1万2千枚であることにも、何かしら意味があるように思えるんだけどなあ。ちょっと日本っぽすぎかな、この考え方は。
柴田明夫/食糧争奪―日本の食が世界から取り残される日
太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 (ハヤカワ・ノンフィクション)関連。
日本の食に関する(あえて)悲観的な考察をいろいろまとめた本。最初はちょっと難しくて、社会科の本を読んでる気分になったけど、ま、面白かった。
特に水の話。地球にある水のうち、普通に利用できる水というのは淡水なわけだけど、その中でも利用がしやすい水というのは河川や湖沼の水で、それは全体の0.01%しかないということ。節水にはウェット節水とドライ節水があって、歯磨き中に蛇口閉めるとかいうのは、河川が閉鎖状態にある場合は、河川流域全体の給水量が不変だから、あまり意味がないとかそんな話(あまり理解してない)。
あとはコーヒー相場が、結構政治的に決められてる話とか、休眠してる農地を活性化させよう的な話も、わりと面白かった。
で、やっぱり中国が、とてもキーポイントなんだということがわかった。頑張ってください。
斎藤孝, 倉田真由美/喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな! (be文庫)
ま、そりゃそうだよなというタイトル。
恋愛論。
対談かと思ったらそうじゃなくてびっくり(文庫化で再構成したっぽいから、その際に変更になったのか?)。
ツールとしてネットが何も(たぶん)出てこないのがちょっと古いなと思った。
直接的な意味ではそんなに面白くはないけど(少しは面白いけど)、こういうのを読んじゃう人(とう言い方もアレだけど)のことを考えると面白かった。