『海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス』でも有名な筆者が、アメリカの高校で日本人の生徒相手に行った講義をまとめた本。非常に面白かった。特に、脳が体を規定するだけじゃなくて、体も脳を規定するという話。たとえば先天的な問題で指が4本しかない患者の脳には、指4本に対する処理領域しか存在しないのだけど、手術で指を5本にしたあとは、5本目を担当する領域が出現すると。だから人間はこういうノドをもってこういう歩行をしたから声帯が発達して言葉を操れるようになったわけだけど、言葉を操れるだけの体の準備が出来たから、脳もそれ用にカスタマイズされていったのだと。面白い。どうも育った時代が科学な時代だったので、脳みそが王様な印象があったのだけど、体も大事なんだね。
ただ、何故にアメリカの高校に通う日本人の生徒相手に話をしたのかよくわからず。そこだけ消化不良だった。巻末付録の記憶を再現する行列なんか、特に面白かったよ。
- 作者: 池谷裕二,長崎訓子
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2004/10/23
- メディア: 単行本
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★★★★★:人にも勧めたい本