これで検索してくる人がたまにいたので読んでみる。つーか買ってうちにおいてあるのに、こんな理由で読むのはどうかしてると思う。でも、森永本の次に読んで正解だった。和田秀樹や森永卓郎が問題にしているようないまの時代の空気を、マルクスというメガネを通して見たらどう見えるのかと、そういうような本だったので。
正直、弁証法的唯物論を何の前置きもナシに語られると、僕レベルでは「よくわかんなーい」と思ったりするのではあるけれど、でも、著者が言いたいであろう、共産主義はその理論が間違っていたのではなく、運用が間違っていたのだという点は、以前から多少そうかもなあと思っていたので、面白く読んだ。つまり、ソ連というのは、「共産党という『資本家』による国家独占資本主義」であると。だから、国民国家という枠が崩れそうになっているいまこそ、本当の意味でマルクスの思想が輝くときなのであるらしい。なるほどねえ。国民国家については、僕は国民国家が出来てから生まれたのでずーっと普通なものだと思っていたのだけれども、以前『民族とは何か (講談社現代新書)』読んだときに意外と新しい考えだということがわかって驚いた覚えがある。社会で習ったような気も少しするけれど。
で、えーと何だっけ。そう。こういう時代なんだから、もっと他人に優しくなろうと、そんな簡単な結論じゃないけれど、ニュアンスとしてはそんな感じ。たとえば自分の家族や子供に対して「オレのカネはオレのカネだ!」とは言わんでしょう?と。
共産主義って、人間が強欲だってところをちょっと忘れすぎてる嫌いがあると思うんだけれど、かといって世界ホッブス祭りみたいになってると疲れそうなので、良い頃合を見つけたいものですね。
なんかダラダラ書いてたら、よくわかんなくなってきたぞ。
- 作者: 的場昭弘
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/12/14
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★★★★☆:面白かった本