萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

『年収300万円時代を生き抜く経済学』

で、和田秀樹の『他人より稼ぐ仕事術』の帯に「年収300万円で本当に満足できますか?」と書いてあったんで、年収300万円の本も読まねばと思い購入したわけである。和田秀樹的には、どんどん稼げる人と稼げない人の差が広がってくる世の中だから、頑張って稼がないとと。というか稼ぐのだって楽しいよと。自分は300万でよくても、それじゃ子供に教育させらんないよと。そんな話だったわけですが。

で、この本。ちょっと冒頭からビックリするぐらい陰謀論っぽい本で焦る。こんな本だったんだと。でも『バカの壁 (新潮新書)』のときも思ったんだけど、こんなに流行った本なんだったら、その影響が、もちょっと世の中に現れても良いような気がするんだよなあ。たとえばこの本だったら、「そうか、世の中はそうやって、金の亡者たちに牛耳られようとしているのか!」とか。みんなはそういう空気になったのに僕が気付いてないだけかなあ。『バカの壁』だったら、「地球温暖化の話って少しマユツバだよ」とかさ。さておき。この本に書いてあるのは、アメリカの金持ちエリートを見た日本のエリートが、「ああいう暮らしを自分たちもしなくてはいけないのだ!」ってんで、階層社会を作ろうとしていると、そういう陰謀論なのだけど、説得力、ないわけじゃないと思うんだよね。

さて、そんなわけで前提としては和田秀樹と同じで、要するに厳しい世の中になりますよと。森永卓郎の方が描写は細かいけれど、基本線は同じだと思う。で、こちらの本の場合は、だから年収300万でも見つけられる幸せを探そうというか、300万の年収でも十分に豊かに暮らせるよねという結論になる。ここは和田本と大きく違うところ。

がしかし。年収300万でも素敵に暮らすためにはこういう風にしましょうという話が、どんどんいろんなことにチャレンジしましょうとか、副業を持ちましょうとか、和田秀樹の本とほぼ同じなのね。これには驚いた。というか笑った。別に森永卓郎がマヌケだと思って笑ったとか、和田秀樹がバカだと思って笑ったとか、そういうことではなくて、なんつーか、結局結論はそれなのねと。面白いねえ。

でも、この森永本、「階層化社会になる」→「年収300万で我慢しよう」のライン、諦めが良すぎるような気がする。だからきっと、「年収300万で我慢しようって本書いて何千万も設けてんじゃないよ」とか、そんなことを言われるんでしょうね。

ちなみに最初の陰謀論のあたりの経済な話、あまりよくわかりませんでした。もっと勉強します。

★★★☆☆:普通