萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

『神道の逆襲』

本を読むのはわりと速い方なんだけど、この本は結構時間がかかってしまった。1週間ぐらい。おかげで仕事の本が山積みです。さておき、かなり良いです。どうも神道というと国家神道の痛い思い出を痛がりすぎたりするものだけど、そんな話はおいておいて、日本人が「神さま」とどう思想的に対峙してきたのかを丁寧に追った本。途中、結構な詳しさで朱子学を説明する部分もあったりして、やっぱ儒教ってのは、何気に影響大きいなと思ったよ。

この本読んでなるほどなあと思ったのが、神道で理論構築をする際、キリスト教が聖書を元に理論武装するのと同様、日本書紀古事記を元に理論武装するところ。これも国家神道痛がりすぎの影響だろうけれど、日本書紀やら古事記やらと聞くと、もう文学作品という気持ちでしか見たことがなくて、そこを土台にして理論構築するなんてちょっと面白いなあと思いましたよ。まあそのせいで、どんどん牽強付会なことになっていく垂加神道なんかは、ちょっと付いていけないけどね。とはいえ「AB型って二重人格だよね」とか言ってる人は、絶対にこの牽強付会を笑えないわけですが。

あと何回か読めば、たぶんもう少し新しい発見がありそうな気がする。ちなみに今回の一番の発見は「賀茂真淵カッコいい!」ってこと。いままでは不勉強で「本居宣長に影響与えた人」ぐらいの認識だったんだけど、こんなところに面白な人が潜んでいたとはね。

神道の逆襲 (講談社現代新書)

神道の逆襲 (講談社現代新書)

★★★★★:人にも勧めたい本