萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

弾き語りとパイプオルガンと現代音楽とメタル

この3日間で観たもの。

本間千夏さんの弾き語り

キンジョリーナ(はあと)のチナツさんがこないだSTAX FREDに出てたのを観に行ったとき、今度は渋谷の7th FLOORでやる的な話をしていて、で、初めての出演みたいなことを言ってたので、せっかくだしと思い観に行った。前回観たときはエレピで、ちょっと弾き語りとは違う感じだなあと思っていたのだが、今回はグランドピアノで、そしたらあなた説得力がすごい増してて、エレピとグランドピアノってこんなに違うもんなんだと初めて思った。

そういえば渋谷から自宅まで歩いて帰ろうとしたら、途中で道を間違えて北に行くべきところを南にずーっと歩いてしまい、気付いたときには気力がなくなったので結局電車で帰った。

オペラシティのヴィジュアル・オルガンコンサート

パイプオルガンを昼にタダで聴ける会。今回は全部バッハだった。内山美穂さんという人が演奏していたのだけど、なんというか、優しげなMCが素敵だった。そしてバッハってやっぱりすごいんだろうなあと思った。

パイプオルガンはペダルポイントがやっぱり気持ち良い。上の方で、うんにゃかうんにゃか音が動いてても、下で低い音がぶおーっと支えてる感じ。

第25回現音作曲新人賞選考会

昼間パイプオルガンを観た日、夜は現代音楽の選考会を観に行くという、オペラシティのはしご。会社が近所だからできることですね。

選考会に行く前、オペラシティの下にあるSUBWAYでメシでも食おうと思って入ったら、最近よく現代音楽のコンサートで見かける演奏者の方がいて、で、バカ話をしてた(笑)。なんか余裕ある感じで面白いと思った。

選考会は5曲あって、今回は初めて審査発表まで見て帰った。

ひとり目。秋元美由紀さんて人の「Catalyst 〜連鎖」って曲。

クラリネットとハープが、わりと低い方の音で追いかけっこしてるような感じの部分があって(たぶん。以下、全部「たぶん」を省略)、そのうねり感みたいなのが気持ち良かった。ただ、現代音楽でありがちな、高音の特殊奏法っぽいのはなあ、いらんなあ。というか趣味じゃないなあと思いました。でも、1曲目からなかなか素敵な曲で、この賞は良いなと思った。

ふたり目。成宮北斗さんて人の「多重帰属 Ia」って曲。

これはまあわりと全員だし、つーか現代音楽のパンフはほとんどそうだと思うんだけど、小難しいことが書いてあってちょいと笑った。だっていきなり「東浩紀」の名前とか出てるんだもん。で、現代社会に生きる個人=ヴァイオリンの姿ということらしく、ヴァイオリンソロだったんだけど、ソロは、やっぱり、あんまり面白くない。ふーんて感じ。あと、思うんだが、現代社会うんぬんの話を、曲を作るときのきっかけとかネタとして使うのは良いと思うんだけど、曲を通して現代社会に対して何か主張を行っても、現代音楽なんて聴く人の数はえらい少ないんだから効果ないような気がするのでやめた方が良いと思いますがねえ。すごい自己満足になりそうで。これは、お芝居で何かを訴えようとする人に対しても、思うことだったりはするんですけどね。もっと、マスに届くところでやれば良いのに的な。

3人目。横井佑未子さんて人の「act III for violas」って曲。

実はこの曲のとき、すごーくイヤなことがあって、それは何かってーと、しょせんこういうコンサートって、来る人がかなり限られてるというか、「そういう人」しか来ないわけじゃないですか。実際、何度か顔に見覚えがある人とか、何人も客席にいたし。でね、「そういう人」が普通に聴いてる分には良いんだけど、僕の右側の方にいた人がさあ、まあ開演前からなんか「業界人」みたいな感じでイヤな感じだったんだけど、演奏中に笑ったりすんだよね。「あー、そうきたのね」的なオーラを満載にして。もう、ほんと鬱陶しかった。ライブって、結局はそういうのもコミでライブだとは思うんで仕方ないんだけど、ああいう人は死ねばいいのにと思う。つーか、とりあえず一番後ろで見てほしい。邪魔だから。あと、この曲のときじゃなかったような気がするけど、演奏に合わせて指揮とかしてるし。Perfumeのコンサートでファンが一緒に踊るのとは違うわけでさあ、そういうのやめようよ。

と、なんか書き出したらグチばかりになったけど、この曲、良かったんだよね。ヴィオラってかっこいいなって思った。2本のヴィオラが、互いに寄り沿いながら進んでくみたいな感じの曲というんですかねえ。この曲も、高い方の音はちょっと好きではなかったんだけど、低い方の音は、ヴァイオリンじゃダメだったんだなってことを感じさせられたというか。ヴィオラだから、この空気になれるんだな的な。特に低い方の音がロングトーンで交互に演奏されてるときは、なんだかドローンみたいな気持ち良さもあり。これCDとかにならないのかなあ。

で、今回は、僕が一番好きだったこの曲が賞を取った。ちょっと嬉しかった。

4人目。谷地村博人さんて人の「Julia」って曲。

ハープとピアノの曲で、こんなに間近でハープを見たことがなかったんで、まずそこが嬉しかった。で、そこは嬉しかったんだけど、曲的には、そんなにピンと来なかったというか。最後の審査委員長である一柳慧の講評によると、似てるけど違うこのふたつの楽器をうまく使ったうんぬんという話だったような気はするけれど。

でも、しかし。

この人、プロフィールのところに、「フラクタルを構成原理とする」曲を作った話とか書いてあったのに、最後の講評のところで、「しかしJuliaさんというのは恋人でしょうか」的なことを言われててかわいそうだった。よっぽど「Julia集合だよ!」ってツッコミ入れようかと思ったけど、もちろんそんな勇気はないからね。

ちなみに、フラクタル使った曲だと、僕は古川聖って人のMusic by Numbers 数による音楽が好きだな。ピアノ曲なんだけど、MandelbrotとかJuliaとかあって、聴いてると、「おお、これMandelbrotだ!」ってわかんのね、なんか。

そんで。

最後5人目。中村絢て人の「水紋」って曲。

水の波紋のような音の広がりは、たしかに感じられたかなあ。クラリネット2本、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、という構成なんだけど、特にクラリネット2本の絡みがわりと僕は好きでした。あと、たまになんていうか、この5つの楽器が、ひとつの楽器のように思える瞬間があるのよね。うまく言えないけど。これしかないって音を出してるっつーか。あとはそうねえ、確かヴァイオリンとヴィオラが速いリフをユニゾンしてたような覚えがあるんだけど、それがえらくカッコ良かった。ロックじゃん、みたいな。

で、実は僕はこの人に関して一番気になってたのは、プロフィール写真が結構美人で、まあでもこういうプロフィール写真って気合い入った写真になるからなあと思ってたら演奏後に出て来た本人も美人で、とかこういうこと書いてるとほんとイヤな感じですが(笑)それはさておき、この人が受賞しなかったんで、作曲の世界はそんなに変なことになってないんだなと思って安心した。なんか文章にすると変な感じだな、この話。まあ良いや。ええと、この曲も好きだったけど、3曲目ほどではなかったです。

なんか楽しいコンサートだったので歩いて帰宅した。が、時間がちょうどよかったため、会社の近所にある、昔よく行ってたバーに寄ってしまい、飲んだあと歩いて帰りはしたけれど、寄った勢いでいろいろ食ってしまったので哀しい気持ちになった。

LOUD PARK 08

メタルな知り合いであるA部さんからMeshuggahが来日するという話を聞き、調べてみたらちょっと興味があるApocalypticaも出ることがわかったので、2バンドだけ観るにしては少し高いなあと思いつつ一期一会って熟語もあるしと思い行くことにした。

いつもは僕、オレンジの服とか黄色のバッグとかなんだけど、きっとそんな格好でメタルのライブ会場に行ったら黒いTシャツの人たちに囲まれてSATSUGAIされると思ったので、黒いTシャツで行きました。そしたら、普通に明るい色のTシャツの人もいたので「なーんだ」とか思った。あと、やけにかわいい高校生女子みたいな子もいて、なんでこの現代という時代にその年でメタル好きになったんだろうなあとか大きなお世話なことを思ったりしました。チケット代もけっこうするのにね。

さておき。

ちょっと早めについたのでご飯でも食べてから会場に入ろうかなと思ったけれど、そういえばサマソニのときに入口からステージまで遠かったなと思い空腹なまま会場へ。正解だったけど。

Apocalypticaはチェロ3人とドラムのバンド。だと思うんだけど、もうひとりチェロの人いたな。その人はロバフリばりに座って弾いてたんで(他のチェロの人は長い髪をくるくる回したりしてた)、サポートなんすかね。ギコギコ攻撃的なチェロの音で、面白くはあったんだけど、正直、最後の方は飽きてしまいました。あと、4人チェロがいることを、あまり活かせてない気も、少ししたなあ。

Apocalypticaが終わり、Meshuggahの出番の前にひとつバンドがあったので、その前にトイレへ。

で、戻ろうとすると、なんだかすごい人波に揉まれる。Meshuggahってこんなに人気なのーって思ってたら、たまたま通路が狭くて、隣のステージでやってるObituaryってバンドを見たい人たちがうまく移動できないでいるだけだったようでした。僕はそのへんの人気度とか全然わかんないし、てっきりMeshuggah混雑だと思ってたんで、かなり辛い人混みだったんだけど「ここは我慢してステージに近いところまで行かないと!」とか頑張った。けど意味なかった。つーか、狭い通路部分を抜けたら、Meshuggahがやる方のステージの前は普通に空いてた。かつ、もう少し待ってから移動すれば、特に人波にも揉まれる必要なかった。

そんでMeshuggah。ザクッ、ザクッて感じのギターとベース気持ち良い。あとボーカルのハゲの兄ちゃん、なんか立ち姿がカッコ良い。しかしMeshuggahの人たちもSEX MACHINEGUNSの人たちみたいに髪をくるくる振り回してたんで、みんなやるんだなあと思って感心した(たとえが変でごめんなさい)。

個人的には、こんな変な拍子の曲にたくさんの人たちが集まって「うおー」とか言ってる状況がわりと面白かったのだけど(ただ、うまくノレてない人もいた。まあ当然)、ちょっとなんでしょう、音のヌケがわるいというか、塊になっちゃってる印象があり、何やってるかあんまりわかんない感じもあったっけな。ああ、あと、演奏に合わせて照明がビカビカしてたのは、手動でやってんのかどっかがトリガーになってるのか、気になりました。

で、「あー、Meshuggahを生で聴いてるのねー」という嬉しさはあったし、これをみんなスタンディングで観れるんだから他のプログレのライブも立って観るのも良いのかもねとか思ったりはしたのだが、少し消化不良だったのね。

でも、最後にFuture Breed Machineを演奏しまして、やはりこの曲は素晴しい曲だなと思いましたよ。エマージェンシー音みたいなギターも面白いし、複雑そうででも意外とノレる変拍子が素敵。

Meshuggahを観たあとは、お目当てのバンドも観たしということで、帰った。かなりもったいないことをしてるんだろうなと思いつつ。

なんか、でも、意外と疲れた。

で、帰宅して、こないだ買ったけど見てなかった、シュトックハウゼンのヘリコプター弦楽四重奏曲のDVDを見ましたと。

いろいろやろうと思ってたことがありましたが、今日は、もう寝ます。

明日、がんばろう。