萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

和田秀樹本3冊

本をたくさん書く人はどんな風に本を書いているのかを知りたくて和田秀樹の本を3冊連続で読んでみた。もともと、嫌いではないし。で、予想どおりというか予想以上にというか、書いてあることは同じだった。『自分のことを「傷つきやすい」と感じている人へ』はちょっと毛色が違うから同じ度は低いが、『他人より稼ぐ仕事術』と『お金とツキが転がり込む習慣術』は、読み終わったいまとなってはどっちがどっちだったかあまり思い出せないほど似ていた。要するに、これからの時代は正解がない時代なんだから、いろいろやってみろと。人は悪い印象なんてあまり覚えていないものだから(これは『自分のことを〜』にも少しつながるネタ)、どんどんチャレンジしてうまくいったことだけ続ければ良いと。あと、お金を稼ぐということに対して罪悪感を抱くなと。なんかそんなような話だった。毛色が違う『自分のことを〜』に関しては、読者層もちょっと違って、たぶん女の人向けなんだろう。「体を安売りすること」と「いい人であること」は違うと、何度も書いてあった。

で、ほとんど同じ内容だからって「けっ」と思ったかというとそうでもなくて、なるほどなあと。要するに同じ人間なわけだから、言いたいことの核の部分は同じなわけである。で、一番言いたいことが核としてあって、その周りに、少し言いたいことがあり、どんな面を話題の中心に持ってくるかで切り口や見せ方が違ってくるということだろう。それはそれで、自分の言いたいことをいろんなターゲットにリーチさせるためには、良い方法だと思う。もちろん、だからって、普通はそんなバンバン本を出せないわけですが。どうやらそれぞれの本は口述筆記らしく、2〜3日で書ける模様。だから、いろいろと新しい話題も入ってるんだね。でも、編集者が大変だよなあ、きっと。

★★★☆☆:普通

お金とツキが転がり込む習慣術―「運のいい人」には理由がある

お金とツキが転がり込む習慣術―「運のいい人」には理由がある

★★★☆☆:普通

★★★☆☆:普通

『年収300万円時代を生き抜く経済学』

で、和田秀樹の『他人より稼ぐ仕事術』の帯に「年収300万円で本当に満足できますか?」と書いてあったんで、年収300万円の本も読まねばと思い購入したわけである。和田秀樹的には、どんどん稼げる人と稼げない人の差が広がってくる世の中だから、頑張って稼がないとと。というか稼ぐのだって楽しいよと。自分は300万でよくても、それじゃ子供に教育させらんないよと。そんな話だったわけですが。

で、この本。ちょっと冒頭からビックリするぐらい陰謀論っぽい本で焦る。こんな本だったんだと。でも『バカの壁 (新潮新書)』のときも思ったんだけど、こんなに流行った本なんだったら、その影響が、もちょっと世の中に現れても良いような気がするんだよなあ。たとえばこの本だったら、「そうか、世の中はそうやって、金の亡者たちに牛耳られようとしているのか!」とか。みんなはそういう空気になったのに僕が気付いてないだけかなあ。『バカの壁』だったら、「地球温暖化の話って少しマユツバだよ」とかさ。さておき。この本に書いてあるのは、アメリカの金持ちエリートを見た日本のエリートが、「ああいう暮らしを自分たちもしなくてはいけないのだ!」ってんで、階層社会を作ろうとしていると、そういう陰謀論なのだけど、説得力、ないわけじゃないと思うんだよね。

さて、そんなわけで前提としては和田秀樹と同じで、要するに厳しい世の中になりますよと。森永卓郎の方が描写は細かいけれど、基本線は同じだと思う。で、こちらの本の場合は、だから年収300万でも見つけられる幸せを探そうというか、300万の年収でも十分に豊かに暮らせるよねという結論になる。ここは和田本と大きく違うところ。

がしかし。年収300万でも素敵に暮らすためにはこういう風にしましょうという話が、どんどんいろんなことにチャレンジしましょうとか、副業を持ちましょうとか、和田秀樹の本とほぼ同じなのね。これには驚いた。というか笑った。別に森永卓郎がマヌケだと思って笑ったとか、和田秀樹がバカだと思って笑ったとか、そういうことではなくて、なんつーか、結局結論はそれなのねと。面白いねえ。

でも、この森永本、「階層化社会になる」→「年収300万で我慢しよう」のライン、諦めが良すぎるような気がする。だからきっと、「年収300万で我慢しようって本書いて何千万も設けてんじゃないよ」とか、そんなことを言われるんでしょうね。

ちなみに最初の陰謀論のあたりの経済な話、あまりよくわかりませんでした。もっと勉強します。

★★★☆☆:普通

『マルクスだったらこう考える』

これで検索してくる人がたまにいたので読んでみる。つーか買ってうちにおいてあるのに、こんな理由で読むのはどうかしてると思う。でも、森永本の次に読んで正解だった。和田秀樹森永卓郎が問題にしているようないまの時代の空気を、マルクスというメガネを通して見たらどう見えるのかと、そういうような本だったので。

正直、弁証法唯物論を何の前置きもナシに語られると、僕レベルでは「よくわかんなーい」と思ったりするのではあるけれど、でも、著者が言いたいであろう、共産主義はその理論が間違っていたのではなく、運用が間違っていたのだという点は、以前から多少そうかもなあと思っていたので、面白く読んだ。つまり、ソ連というのは、「共産党という『資本家』による国家独占資本主義」であると。だから、国民国家という枠が崩れそうになっているいまこそ、本当の意味でマルクスの思想が輝くときなのであるらしい。なるほどねえ。国民国家については、僕は国民国家が出来てから生まれたのでずーっと普通なものだと思っていたのだけれども、以前『民族とは何か (講談社現代新書)』読んだときに意外と新しい考えだということがわかって驚いた覚えがある。社会で習ったような気も少しするけれど。

で、えーと何だっけ。そう。こういう時代なんだから、もっと他人に優しくなろうと、そんな簡単な結論じゃないけれど、ニュアンスとしてはそんな感じ。たとえば自分の家族や子供に対して「オレのカネはオレのカネだ!」とは言わんでしょう?と。

共産主義って、人間が強欲だってところをちょっと忘れすぎてる嫌いがあると思うんだけれど、かといって世界ホッブス祭りみたいになってると疲れそうなので、良い頃合を見つけたいものですね。

なんかダラダラ書いてたら、よくわかんなくなってきたぞ。

マルクスだったらこう考える (光文社新書)

マルクスだったらこう考える (光文社新書)

★★★★☆:面白かった本

『進化しすぎた脳』

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス』でも有名な筆者が、アメリカの高校で日本人の生徒相手に行った講義をまとめた本。非常に面白かった。特に、脳が体を規定するだけじゃなくて、体も脳を規定するという話。たとえば先天的な問題で指が4本しかない患者の脳には、指4本に対する処理領域しか存在しないのだけど、手術で指を5本にしたあとは、5本目を担当する領域が出現すると。だから人間はこういうノドをもってこういう歩行をしたから声帯が発達して言葉を操れるようになったわけだけど、言葉を操れるだけの体の準備が出来たから、脳もそれ用にカスタマイズされていったのだと。面白い。どうも育った時代が科学な時代だったので、脳みそが王様な印象があったのだけど、体も大事なんだね。

ただ、何故にアメリカの高校に通う日本人の生徒相手に話をしたのかよくわからず。そこだけ消化不良だった。巻末付録の記憶を再現する行列なんか、特に面白かったよ。

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線

★★★★★:人にも勧めたい本

『図解裏帳簿のススメ』

というかこの[商]というカテゴリはほぼ機能していないのですが。

さておき、中小企業の社長はもらったお金全部使っちゃダメ!役員報酬を元に合法的に会社の裏金作っていかないと会社ツブれちゃうよ!という本。つまりは、まず、いっぱい稼がなきゃいかんのですよね。

頑張ります。

図解 裏帳簿のススメ―あなたの会社にお金が残る

図解 裏帳簿のススメ―あなたの会社にお金が残る

★★★★☆:面白かった本

『ほぼ日刊イトイ新聞の本』

もっと自慢話な本かと思っていたら。もっとサイトの成功物語みたいな本だと思っていたら。案に相違して、糸井さんの成長物語みたいな本だった。というか僕はそう読んだ。面白かった。楽しむっていいやね。成長するっていいやね。というか、えーと、成長したいと思うって良いと思うね。

糸井さんには以前「萩原さんは声がいいよね」とホメられたことがあるのだけど、もっと成長して、別のこともホメられるようになりたいものです。

ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)

ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)

★★★★★:人にも勧めたい本