萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

飲酒日記

「ちょっと話聞いてほしいんだけどさ」
「どしたん?」
「少し前に禁酒日記を書いてたのね」
「言ってたね。てか見てた」
「ありガトーショコラ」
「ほんで?」
「結果として30日間酒を飲まずに過ごしたんだけど」
「偉かった」
「ありガトーショコラ」
「ほんで?」
「で、それやってるときに飲酒日記ってアプリ見つけたのね」
「どんなアプリなん?」
「あらかじめお酒の量と度数を登録しといて、飲んだらボタン押してそのお酒を飲んだことを登録すんの」
「度数って?」
「アルコールのパーセントのこと」
「へー」
「僕は『350ml(3%)』みたいに直接数字で登録してるんだけど」
「おっさんがほろよい飲むなや」
「なんで度数知らなくてほろよい知ってんだよ」
「たしかに🦀」
「飲んだ量に応じて、というか摂取した純アルコール量に応じてアイコンが表示されるんだけど」
「スタンプみたいな?」
「そこまでじゃないけど、絵文字みたいな」
「なるほど🥹🥹🥹」
「そんなことされたら実験したくなるじゃん?」
「何を?」
「普通に飲んでみたらどんな絵文字が並ぶんだろーなーって」
「あーね」
「なのでやってみたのね。先月1か月間」
「どうなったん?」
「そしたら、なんか、何日かドクロマークが表示されちゃって」
「えまってなにそれこわ」
「よく考えたらいままで、どのくらいなら飲んで大丈夫かとか、どれくらい以上はダメとか、考えたことなかったのね」
「は?」
「健康診断では、ビール何本かとか、焼酎何杯かとか、そういうの聞かれるけど、僕はビールも焼酎も飲まないからよくわかんないんだよね」
「応用力ゼロか」
「だから、なんとなく『飲めなくなるまでなら飲んでいい』とか思ってたのよ」
「やば」
「僕は酔いつぶれるってことがなくて、なんとなく『もうこの辺でいいかなー』ってなって終わるから」
「大丈夫なのそれ?」
「そこでこのアプリの登場ですよ」
「はあ」
「さっきも言ったように、普通に付けてたら何回かドクロが表示されたわけ」
「それは嫌だね」
「しかも適量って書いてある量の1.44倍の純アルコールを摂取しちゃってんの」
「てんの、じゃなくね?」
「そうなんだよねー。それでようやく、飲めなくなるまで飲んだらダメだってことに気付いた。なんてことをいまごろ気付くのも遅いんだけどね」
「それなー」
「という内容の日記を串かつでんがな稲田堤店で書いてるのも良くないよね」
「説ある」
「それにしてもわさびサワーうまい」
「知らんし」
「おつかれさまセットっていう、飲み物1杯に適当に選ばれた串が5本付いてくるセットなんだけど」
「それをわたしに説明してどうするよ」
「帰りによくこの店の前を通るんだけどいつも『1杯で満足できるかぼけ』って思ってたんだけど今日初めてこのセット頼んだんだけど実際に頼んでみたらけっこう満足感あるしわりと酔ってるし980円というお得なお値段だしこれはまた来店して楽しむしかないんだが」
「めっちゃ早口で言ってそう」
「たしかに🦀」
「うぇーい」
「あざしたー」