萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

最近読んだ本

せっかくなので一気に書いておこうと。

河野博子/アメリカの原理主義 (集英社新書)

やはり危機感を覚えると、原理主義が台頭してくるんですかねえ。原理主義者が宗教右派をうまく取り込んでいくさまが、少し恐しかった。つーかさー、やっぱり進化論教えないのはどうかと思うんだよね。

ジョン・グリシャム/陪審評決〈上〉 (新潮文庫)陪審評決〈下〉 (新潮文庫)

あなたグリシャムですよグリシャム。キャー!てなもんですわ。

ものすごく短く言うと、陪審員の票を買う人たちが暗躍してるさなかに、当の陪審員として、評決を意図を持って左右しようとする人物が動き回るって話。ちょっと最後の方はご都合主義が強すぎたような気がするけど、まあ面白かった。そして、やっぱり僕は陪審制が嫌いになった。

ま、そんなことは高校生のときに「12人の怒れる男」の舞台を見たときから気付いてるんだが。

ポール・オースター/ムーン・パレス (新潮文庫)

ポール・オースターの名前を言うとき、いつもポール・モーリアと言おうとして、いやいやそれはイージーリスニング、と思ってしまうのだけど、敬愛するA池さんから1年以上前に勧められてようやく読んだ本。

うまく感想は言えないけれど、とにかく読んで良かった。サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」とか「クラップの最後のテープ」に肌触りが似てるような気がした。全然違う話だけど。

きっと有名な作品だから、いろいろ感想は転がってると思うので、これ以上書くことないです。

が、読んだことがないなら、一度読んでみると良いと思います。若いときに読むと人生変わってたかもなと思える一冊ですな。良い方に変わるか、悪い方に変わるか、それは知らないけれど。

リチャード・ドーキンス/祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 上祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 下

いや、なんかね、やっぱドーキンスってキャッチ大魔王だわって思った。「利己的な遺伝子」とか言われたら、参っちゃうよね、もう。ちなみにドーキンスを知ったのは、第三舞台の「朝日のような夕日をつれて'91」からだったような気がするのだけど、ベケットも朝日で知った気がする。鴻上様々。まあ、どうでも良いが。

で、これはどんな本かってーと、人間の進化について考えるときに、古い方から考えるんじゃなくて、まず人間から考えましょうと。で、人間が、チンパンジーとの共通の祖先と出会うのはいつごろですよ、そして共通の祖先はこんな風だと思われますよ、というのを、生命の最初まで遡って行く本。もうね、この説明の仕方が秀逸で秀逸で。僕は初めて、ダーウィンが進化論を唱えたときに「オレたちがサルの仲間だってのかニャロメ!」とか言って怒った人の気持ちがわかったような気がする。つまり、どんどん古い共通の祖先と出会うたびに、ちょっとイヤな感じがした。両生類とか、特に。両生類に罪はないけれど。

ほんでもって、そうやって共通の祖先に出会うたびに、生物学の重要なトピックを語るのもこの本の面白いところ。いろいろ難しくてわからないところもあったけど、僕が特に面白いなと思ったのはふたつ。

ひとつ目は、眼という器官を「発明」するのは進化にとっては簡単で、いろんな種が独自の方法で眼を「発明」したという話。これってよく、創造論者とかが、「眼のような複雑な器官が発達するには時間が足りない!」とか言うのって、全然間違ってるってことでしょ?まあ、どちらも鵜呑みにしちゃいかんのだろうが。

もうひとつは、進化にとって、性の存在ってのは、実はマイナスだってこと。つまり、遺伝子にしてみりゃあ、有性生殖を行うことで、自分の遺伝子を半分捨てなきゃいかんわけで、有性生殖をすることで、倍のメリットがない限り、それは見合わないと。で、かつ、倍のメリットというのが、いまのところわからないと。へー的な感じですよ。性が存在することで、多様化が促進されて、種として強くなるのかと思ってたけど、どちらかというとそれってマイナス指向な話で、ある特定の優位性が生まれたとしても、性が存在しちゃうと、それが混ざっちゃうと。なるほどお。

あと、自分が学生時代に習った生物の知識が、いまでは随分変更されてるんだなってのも新鮮で面白かった。

リッチ・ハミルトン/ウォルト・ディズニーのアイデアブック

まあ予想はしてたけど、予想どおりかなりダメな本。ディズニー好きが、ディズニーの素晴しさを滔々と語り、だからディズニーのビジネスは成功してるんだと叫んでる本。ディズニー好きじゃない人が書いたら面白い本になったかもしれないけどね。

通勤電車でも十分に読める分量なので、興味あればサクっと読んでみるのが良いかなと思います。

吉野次郎/テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか

嫌いな理由を7つ挙げてあります。詳しくは本書をどうぞ。なんだか現在はテレビの曲り角なんだなと思った。同時に、ネットにとっても曲り角なんだなと。片隅とはいえ、その場に居合わせている者として、いろいろ考えて行動したいと思ったよ。

あと、なんちゃってSEとして「なるほど」と思ったことがひとつ。制作会社任せにし過ぎているテレビ局は、今後立場が弱くなるだろうとのこと。テレビ局側に番組制作能力があれば、制作会社に対して、「だったら自分らでやるからいいよ」って言えるけど、外注ばかりに頼ると、そんなこと言えなくなるよと。オフショアも、程度問題なのかなあとか思った次第。まあ、いまだって、デカいSIerの結講な數のSEが、ヘボい(ような気がする)もんね。