萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

ミニマル的な夜

心の中では「まつ毛さん」と呼んでいる、数奇なご縁で知り合いになったK田さん(詳しくはここを見てくださいな)のライブがあったので千駄ヶ谷へ。千駄ヶ谷が新宿から近いということに、東京へ来て15年目(ぐらい)にして初めて気がついた。

ライブの内容的には、アートチックというか、ちょっとミニマル的な匂いのする音楽が中心で、たぶん半年前の僕は受け付けられなかったと思うのだけど、最近TSUTAYAのおかげでなぜかクラウトロックにハマっている僕としては、わりと楽しい会だった。

一発目はサックスの人。ひとりで出て来て吹き始めたので、ひとりづつメンバーが出て来る趣向かなと思ったら、ずっと独りだった(笑)。つまり、ずっとサックス・ソロ。さすがに途中で飽きたけど、バリトン・サックスのソロは結構良かった。

二発目の人は、登場していきなり、ヴァイオリンの弓で鉄琴をいじりはじめた。なんだか「ほわーん」とした音が、結構心地良い。と思ってたら、足で何か機械チックなものを踏んでいて、そしたら、さっきボウイングした音が再生され始めた。どうやら、録音してたらしい。それをループトラックとして使って、今度は低い方の音を。その次は鉄琴じゃなくてベル的なものを。と、そんな感じでいろんな音が重なっていく。ひょっとして、フリッパートロニクスってやつかしら(わからなくても良いです)。で、楽しかったのだけど、これもやっぱり途中で飽きたよ。というか、ひとまわりやったあと、もいちど、別の音ネタで同じことやってたからさー。「いや、もうそれは見た」と思った。あと「でも21世紀にこれはちょっと古くない?」とも思った。まあ、まぼろちはどうなんだと言われると、もごもごしちゃうけど。

みっつ目に、僕らのK田さんが登場。ピアノの人とのデュオ。K田さんはヴァイオリンも弾きつつ、何やら光るイクイップメントを操作していた。たぶん違うと思うけど、感じとしてはKORGKAOSS PADみたいな感じ。あと、打ち込みのドラムも鳴ってた。ピアノの人の、決して主張しない感じのミニマルな伴奏に、K田さんの美しい旋律が重なっていく。K田さんのニュアンスのあるヴァイオリンは結構楽しい。とても美しいムジーク(あえてドイツ語な感じで)でした。このバンドで今日初めて「え?もう終わり?」って思ったし。まあ知ってる人だから、欲目というやつかもしれないけれど。あえて難点を言えば、打ち込みの音と生演奏しているピアノ/ヴァイオリンの音が、あまりなじんでいなかったこと。つまり、分離して聴こえる。まあこれはでも、打ち込みでドラムやると仕方ないのかもねえ。でも、うまくやれば、うまくやれそうな気もする。

最後は二発目の人が鉄琴を、そして初登場の人がキーボードとドラムを、それぞれ担当する形のバンドが登場。ま、やっぱりミニマルな感じで、楽しいのだけど、途中で飽きてしまうという。あと、ドラムが、もうちょい頑張って欲しかったかなあ。なんか、音がバタバタしてた。ドラムセットがわりと小さいやつで、それが狙いだったのかもしれないけど、普通のドラムセットで、もっとジャズっぽく叩いてくれたら良かったと思う。途中1曲だけ展開のあるかわいい曲をやってて、それが意外とアクセントになって良かった。

あ、ちなみにこのライブについては、ライブハウスのページに情報があるので、詳しくはそちらを。そのページにも書いてあるんだけど、最後のバンドのキーボードの人は「ストロベリーショートケークス」の音楽を担当してたみたい。こないだ下高井戸シネマで見逃したんだよね、「ストロ(略)」。せっかく忘れてたのに、また思い出しちゃった。

そんなこんなで、いろいろ文句書いてますが、文句書いた方が頭良さそうに見えるかなと思って書いただけで、基本的に、とても楽しいライブでしたよ。

終演後、一応K田さんにごあいさつをした。何気に緊張してしまい、うまく話せず、ちょっとだけ話して「では」なんて言って帰ってしまった。でもおみやげのチュッパチャップスは渡せたので良しとしよう(お子さんとご一緒にということで差し入れてみたのだ)。あと、うちの3/3のライブの宣伝もしてみた。来てくれると良いなー。

ミニマルとヴァイオリンを楽しんだ感じの夜だったので、帰りはサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」(ヴァイオリン代表その1)とパガニーニの「24のカプリース」の24番(ヴァイオリン代表その2)とキング・クリムゾンの「Discipline」(ミニマル代表その1)とフィリップ・グラスの「Company - Movement I」から「Company - Movemen IV」(ミニマル代表その2。演奏はクロノス・クァルテット)と岡田有希子の「くちびるNetwork」(特に関係なし)とチャットモンチーの「シャングリラ」(バスドラがかっこいい)を聴きながら帰った。

なんか昨日の14年ぶりな再会といい、今日のK田さんとの出会いといい、あと昔書いたけどいつ書いたか忘れた、たまたま探してた高校のときの友達と有楽町線でばったり会った(しかも僕の対面に座ってた)ことといい、面白い偶然ってたまにあるから素敵ね。