萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

「佐賀のがばいばあちゃん」のこと

僕は佐賀県出身なんで、一応と思い、ブックオフで「佐賀のがばいばあちゃん」の文庫本を見つけたときはすぐに購入して読んだのだけど(まあまあ面白かった)、このたびうちの近所にある小さな素敵映画館、下高井戸シネマで上映されるとのことで、行ってきた。不覚にも何度か泣いてしまったのは、まあ、アレとして、本を読んでから、というか本を見つけてからずーっと気になってたことがあって、それが解消されたので良かった。

気になっていたことというのはなにかというと「がばい」という言葉の品詞について。

下高井戸シネマの映画紹介のチラシには「がばい」というのは佐賀弁で「すごい」という意味で云々と書いてあり、つまり「佐賀のがばいばあちゃん」は「佐賀のすごいばあちゃん」という意味だということになるのだけど、ネイティブ的には少し違って、「がばい」というのは、「すごく」って意味なのね。「すごい」じゃなくて。だから、形容詞じゃなくて副詞なわけ。だから「佐賀のがばいばあちゃん」という書名を見たときから、「なんか変くね?」的な感じで思っていたのだ。「佐賀のすごくばあちゃん」って意味わかんないし。「がばい」という言葉は、「がばいうまか」=「とてもおいしい」、「がばいすごか」=「とてもすごい」という風に使うのですね。「がばいしとっ!」という言葉もあり、「とてもものすごい」とか「なんだよひでーなー」という状況のときに、感嘆詞的に使います。

まあ、別にそんなこと知りたくないかもしれないけど。

で、何がどう疑問が解消されたかというと、「がばい」は副詞だと思っていたけれど、ひょっとしてそれは時代によって変わった言葉なのかと思ってたわけです。もしくは、地域によって違う風に使うのかとか。だって、書名に堂々と使われてるんだもんね。でも、今日映画見てたら、映画の中では「がばい」という言葉が副詞として使われていて、形容詞として使われていることは一度もなかった(たぶん)。つまり、やはり「がばい」は「すごく」であり「すごい」ではないということ。いままでずーっと気持ち悪かったのだけど、書名が間違ってる(もしくはキャッチーな表現としてあえて間違えたまま使っている)ということがわかって、スッキリしました。

一応、感想をいくつか書いておくと、

  • 三宅裕司がやってる役は不要だと思う
  • 貧乏なのに家が広すぎると思う
  • 細切れのエピソードがうまく繋がってないと思う

という感じ。いや、面白かったんだけどね、なんかそのあたりは気になった。

あと、エンドロールに「協力してくれた人々」的な名前がたくさん流れるんだけど、そこに佐賀市長がいたり、人数が半端なく多かったりするのが、佐賀県的だなあという感じだった。326の名前があったらどうしようと思ってたんだけど、なくて良かった。いや、別にあったところでどうもできないしどうもしないのだけど。

4日に泉ピン子がばあちゃんの役をやるドラマがあるらしい。折角なのでそれも見るかという話になった。家族会議で。

追記1

この話、Wikipediaですでに指摘されてた

本編とはまったく関係ないが、「がばい」の意味を間違って広めた事で有名。佐賀県の方言では、「がばい」とは「とっても」という意味。用法としては、「とってもすごい」→「がばいすごか」と使われる。「佐賀のがばいばあちゃん」ではなく、「佐賀のがばいすごかばあちゃん」というのが正しい言い方である。

なーんだ。

追記2

ばあちゃんが貧乏をものともせず、いろいろと豪快な発言でけむに巻くのは、「言い方次第」という意味で、「武士道とは死ぬことと見つけたり」の葉隠と根っこは同じかもと思った。