萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

『「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史』

「へー」的な気分になれる話題が満載の本。ま、語学的なところに興味があればだけど。でもエコノミック・アニマルとかウサギ小屋とかに、特に蔑む意味がなかったなんてねえ。驚いたよ。エコノミック・アニマルは、さしずめ経済バカ、みたいな感じかな。車バカとか音楽バカとかいうときの。「バカって言う方がバカなんですっ!」とか言って怒る人もいるかもしれないが通常これは褒め言葉なわけで。ポリティカル・アニマルと並列に使われただけらしい。あと、夏目漱石の鬱屈具合とか、故ダイアナさんが自分のことをsheって言ってたので王室っぽい話とか、そんな感じです。そういえばクルアーン(コーラン)の神は、自分のことを1人称複数(英語だとwe)で言うんですっけ。忘れたけど。

ちなみにこの本のタイトルはちょっと言い過ぎで、本当は、「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった可能性が高い、程度です。誤訳=悪というわけでもないわけで、そのへんもタイトルがちょいとアレかなあ。特に、あえて誤読したりする場合もあるわけで。そのへんは『空海たちの般若心経』が参考になります。たぶん。

「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史 (新潮新書)

「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史 (新潮新書)

★★★★☆:面白かった本