一番最近読んだのはたぶん若おかみは小学生!~花の湯温泉ストーリー~(8) (講談社青い鳥文庫)なのだけどそれより前に読んだものを先に書かないとな。
岡田暁生/西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)
クラシックとは何、というときに、それは書かれる音楽であると。書かれるからこそ分析されるとか、そういうような話で。
いろいろ面白く読んだのだけど、昔は3度は不協和音だったとか、2拍子があらわれたとき三位一体(3拍子)じゃないから神への冒涜だと取られたとか、最近よく思う、ちょっと昔になると本当にパラダイムが違うなあというのを痛感する感じ。
音楽史は名曲案内とは違うというスタンス、素敵でした。
鷲田小彌太/あの哲学者にでも聞いてみるか (祥伝社新書)
なんか、ちょっと、期待外れ。なぜかってーと、全部同じ人に見えたから。
というのも、この本はいろんな哲学者が現代の問題にどう答えるかというネタなんだけど、全部同じ人が答えてるように見えたんだよね。しかも、質問が、すごく、用意された質問(あたりまえではあるが)な感じで。
ちなみに質問と哲学者の組み合わせは、以下のような感じ。
- ニートとエピクロス
- パラサイトシングルとヘーゲル
- ワーカホリックとマルクス
- ボランティアとサルトル
- 友達親子とルソー
- 専業主婦と福沢諭吉
- 女教師とヒューム
- 援助交際とソクラテス
- ホームレスとキルケゴール
- 自殺とある哲学者
それから、中国のことを全体通してチャイナって書いてあったのも、なんだかなと思った。
左右/みぎひだり
左右にについてのいろんな話をいろんな人が書いてる本。基本的には「で?」みたいな話が多くて面白くはなかった。
が、左右の観念がない言語があるというのは、へえという感じ。メキシコのテネハパ村のツェタル語は、左右の代わりに、山の傾斜の上り側と下り側を使うそうな。あと高知市では左右よりも東西南北を常用するそうですが本当?
えーと、目次的には以下のような感じで、
- 視覚と左右
- 脳と左右
- 装束と左右
- 食と左右について
- 日本建築と左右
- 人類の感覚―言語人類学から
- 左手の奥の手―「万葉集」巻9の1766番歌
- 絵巻の時空構成を書字方向から考える
- 身体の左右、左右の身体―川端康成「片腕」「古都」「隅田川」
- 非対称//鏡像//うず巻き―美術の伝統と現代美術の左と右
- 舞踊の左右―その非相称の美
- 仏教美術と左右
- 左右とハレケ
- 宗教に見る右左―「うさ」ではなく、「みぎひだり」とお読みいただきたい
- 古代と左右―考古学から
- 神話の世界と左右
- 動物と左右
- アサガオのツルは、右巻きか左巻きか
- ひだりみぎ
- 「g」のレトリック
- 宇宙の左右
- 時・暦と右左
その中でも、g(つまり重力)の話は、わりと面白かったかな。重力がいまのような形だから、いまのような左右感覚があるみたいな。こうなんていうんでしょう、いろんな「あたりまえ」が、意外と外部要因に影響されてるんだよね的なことで。
佐藤優/国家と神とマルクス―「自由主義的保守主義者」かく語りき
国家と神とマルクスについての本かと思ったら違った。タイトルだけで読んだのが失敗ですね。
ので、最初の方しか読んでないんだけど、Amazonの商品説明によると、
出版社/著者からの内容紹介
日本国家、キリスト教、マルクス主義を考え行動するための支柱とする著者の「多元性と寛容の精神」とは何かが明らかになる評論、コラム、書評およびインタビュー集。出版社からのコメント
左右両翼の活字メディアでの精力的な言論活動によって論壇の寵児となり、4月12日に『自壊する帝国』(新潮社)で第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者の注目の最新刊です。
とのこと。あれ?そんな本だったっけ?
うーん。なんか、国策捜査の話ばっかりだったんで、違うと思ってたら。
あれれ。
まあ、だからってたぶん読み直さないのだが。