萩萩日記

萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

日本語の勉強の結果、その1

先日購入した日本語関連の本についての感想。まだ全部読み終わってないのだけど、S藤くんが「早く感想を書け」と言うので書きます。

日本語文法の謎を解く―「ある」日本語と「する」英語 (ちくま新書)

D通のT中さんに勧められて読んだ本。非常に面白かった。日本語本の定番と言える(?)「日本語には主語がない」系の話も面白かったのだけど、日本語という言語は、動作を語るより状況を語ることを良しとする的な話が特に面白かった。「お茶が入ったわよ」ではなく「私がお茶を入れたわよ」になると、意味的には同じはずなのに、とたんに夫婦喧嘩感が強まる感じとか。あと、著者がカナダ(英語とフランス語が使われてる国)で日本語を教えているということから、英語やフランス語と日本語との比較も良かった。日本に来る外国人には、日本語を話すときは声を抑えるように指導してるんだってさ。そうしないと、不自然になるんだって。

日本語を叱る! (ちくま新書)

これもなかなか良かった。言語は変わるものだけど、あえて「叱る」という姿勢に最初は「どうだろうね」と思ったのだけど、杞憂でした。なるほど、と思ったのは、現在の日本語もすでにいろいろと外国語の影響を受けてしまっているという話。無生物が主語の受け身文が使われたり(ってこの文章自体も無生物が主語の受け身文だけど)、彼やら彼女やらといういままでの日本語だったらあまり使わないであろう代名詞が使われたり。翻訳調だな、と思いつつも、受け入れてたりするもんね。そういえば中国語も孤立語なんだけど結構外国語の影響を受けてしまっていて、「〜を」みたいな意味で「把」とか使っちゃったりするんだよね確か。で、何を叱ってるかってーと、なんでも「ヤバい」って表現して終わりにするんじゃなくて、いろいろ考えましょうとか、そういうことだったと思う(たぶん)。あと、外来語も、そのまま使うんじゃなくて、日本語にできないか考えてみようとか。「は?」と思う部分がなかったかというとあったのだけど、ま、全体的には面白かったです。

変わる方言 動く標準語 (ちくま新書)

いろいろとグラフや図が駆使されていて、なんだかきちんと調べられてる印象を受けた。これまたなかなか良い本だった。どうしても、言葉に興味を持っていると方言というのは「残さなくてはいけないもの」と思ってしまうのだけど、この本に載ってた、沖縄件の学務部の人の「標準語が使えないと就職のときに差別を受けるから、学生時代に標準語を使えるようにしないといけない」というのは、ちょっと考えさせられるものがあった。「子供のころから英語を!」というのの、ミニチュアなのかもしれないけれど。どっちが良いとか悪いとか、簡単に言える話じゃないですなあ。

「かわいい」論 (ちくま新書)

これは、かなり良かった。ジェンダー論的な部分とも絡むから趣味にあったのかもしれないけれど。「かわいい」という言葉に潜む戦略性だとか多義性だとか、いろいろ勉強になった。しかしこの本で一番驚いたのは、著者がアンケートをした18歳から23歳までの女子のなかで、これまで一度も「かわいい」と呼ばれたことがない人が10%もいるということ。うーん。難しい問題である。あとは「かわいい」が世界でどう消費されてるかとか、そんな話も。

ありえない日本語 (ちくま新書)

これもかなり良かったなあ。僕は若者言葉が結構好きな方なので、そのせいもあるかもしれないけど。しかし初めて面と向かって「ありえない」という言葉を聞いたのはいまでも覚えていて、昔うちの会社で働いていたバイトの女子大生を面接したときのことだった。あれは驚いたなあ。「ありえないって言われてもあったんだったらありえてるじゃん」と思ったものだった。で、この本が言うところによると、「ありえない」という言葉は「信じられない」とほぼ同義であると。ただ、「信じられない」が自分の世界観の再構築を許容しているのに対して、「ありえない」は自分の価値観からズレるものを切り捨てていると。なるほど。そして仲間どうしで「ありえないよね〜」と言い合うことで、お互いの価値観が一緒であることを再確認しているのだと。なるほど(その2)。変わる言葉が、どういう戦略をもってそのように変わっていっているのかを解説した本、かな。

日本語案内 (ちくま新書)

非常に網羅的で、それぞれの情報も多すぎず少なすぎず、良いのだけど、何かってーとオヤジギャグが入るのがうざい。そういう意味でうんこみたいな本だ。この本ならではの内容ってのも、別にない気がするし。読まなくても良い本でしょう。

日本語基礎講座―三上文法入門 (ちくま新書)

↑で書いた「日本語文法の謎を解く―「ある」日本語と「する」英語 (ちくま新書)」は三上文法を発展的に解説した本なのだけど、この本は「入門」だけあって、まさに解説書。つまり、つまらん。なんか淡々と書いてあるだけだし。が、それだけならまだ良いんだよね。淡々と書いてあるだけなら。それだけじゃなく、この本がダメなのは、その淡々の隙間隙間に、現在の学校国語の文法教育への批判というか嫌味というかが書いてあり、それがもう、本当に鬱陶しいのである。おかげで全部読むのはやめた。

日本語はなぜ美しいのか (集英社新書)

タイトルからしてちょっと危いかなと思ったのだけど、多少偏ってる本も読んでおいた方が良いかなと思い購入。で、大失敗。最初っからもう頭グラグラするぐらいヘンテコな論理展開のオン・パレードで、「やばい、つかまされた!」と思った。朝という単語はAsaという発音だからMorningよりも明るくて爽やかでどうのこうのとか。「はあ?」みたいな。途中で「これはトンデモだ」と思ったのだけど、一応我慢して読もうと思い、日本語だけじゃなくてドイツ語だって英語だって美しい的な話が出てきたときは、多少救いがあるのかと思ったけど、やっぱりダメで。えーと、50ページまで我慢して読んだところでギブアップ。言葉というのは文化と不可分で、その土地の気候や風土にあった言葉というものがあるとか、そこから早期の英語教育は危いとか、わからんでもないこともたまに言うのだけど、全体的にダメすぎた。買わない方が良いですよ。

世にも美しい日本語入門 (ちくまプリマー新書)

僕は「国家の品格 (新潮新書)」でブレイクする前から藤原正彦は好きで、何冊か本も持っていて、鈴木大拙の「日本的霊性 (岩波文庫)」を持ってる(全部は読めてない)のも藤原正彦が勧めてたからだったりする。で、肝心のこの本は、まあ「国家の品格」もそうだったのだけど、いつもの藤原節な感じ。恩師である安野光雅と語り合うことで、多少、薄れてはいるかもしれないけれど。まあ、ちくまプリマー新書だし、さくっと読めますよ。面白くなくはないけど、ものすごく面白いかというと、ま、それは違うかな。でもこの本に載ってた「子供に鳩と鳥と九という漢字を覚えさせると、鳩、鳥、九の順に覚える。なぜなら、鳩の方が鳥より、鳥の方が九より、具体的だから」って話は面白かった。

のこり

こないだ買って読んでないのは「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (光文社新書)」と「日本語はどんな言語か (ちくま新書)」と「日本語の謎を探る―外国人教育の視点から (ちくま新書)」の3冊。なのだけど、もともと日本語関連の本を買ったのは、ちょっと仕事で参考にしようと思ったからで、その参考にする目的だった打ち合わせが先日終わってしまったので、こいつらより先に、図書館で借りてる本を読むことにしてます。いま読んでるのは、大好きなリチャード・ドーキンスの「祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 上」。まだまだ最初の方なんだけど、なかなか面白い。返却期限までに読まんとね。