むかしむかし、まだ僕が弁護士を目指す学生だったころのお話。ワトソンっていういかにもな名前の法律雑誌がありまして、判型も大きくて、結構面白い雑誌だったのですが(過去形なのでわかると思うけれど、いまはもうない)、その本に「立法シミュレーション」ってコーナーがあったんですね。もう、大好きなコーナーで。「こんな法律ができたらどうなる?」ってのを、法律ができる過程からシミュレーションしていくと。あくまでも読み物なので、小説風あり、ドキュメント風ありと、読ませる作り。いまでも覚えてるのは・・・。
国連の会議(か何か)でそのときの外務大臣(とか財務大臣とか)の大阪出身の議員が、挨拶の言葉として思わず「もうかりまっか?」と言ったところ、一斉に各国の通訳が直訳してしまい、「日本はエコノミック・アニマルだ!」と極端なジャパン・バッシングが始まってしまったために制定されることになった「大阪弁禁止法」。
背景はあまり覚えてないけれど、1991年とか1992年とかの段階では結構斬新なネタだった「自衛隊民営化法」。
そして、一番面白いなあと思ったのが「ダイエット禁止法」。
時は近未来。日本は、バブル崩壊の余波から立ち直れずにいるわけです。そのため政府が取ったのが、内需拡大策としての「ダイエット禁止法」。ダイエットをさせないことで国民を太らせ、それに伴う衣食住での内需拡大を狙うと。いっぱい食べれば食品関係とか外食産業が潤うし、服のサイズが大きくなったらアパレル関係うっしっしだし、住む場所もやっぱり、ちょっと広い方が良いだろうし、てな具合。なんか、同時に鎖国もするって話だったと思うんだけど、それはなんでだったか覚えてないや。
と、面白い雑誌だったんだけどねえ、わりとすぐつぶれたね。残念。
昨日、太るとお金がかかる話書いたとき、これも書こうと思ってたんだけど忘れてたので書いてみた。