たまにはカウンセラーらしい話題(?)を。
少し前に読んだオードリー若林の本に、「ぼくは考えた。『がんばれ』に代わる言葉を」と、「がんばれ」の代わりの言葉をいくつか考えるものがありました。
「がんばれ」という言葉が、相手によっては「もうがんばってるよ……」としんどくなる場合もあるからですね。
結果、候補として挙がったのは以下の6つ。
- 応援してる
- 楽しんで
- グッドラック
- ぶちませ!
- ファイト!
- 冷たい水の中をふるえながらのぼってゆけ
特に最後のやつの意図とかは本を読んで欲しいですが、僕がふだん(というか主に仕事のキャリアカウンセリングの場面で)使うようにしてるのは以下です。
うまく行くといいよね〜
少しそっけない感じもするかもしれませんが、このあたりは相手との関係性の構築具合ってことで。
で、一応こういう言い方をするのには意図がありまして、大きくふたつ、考えていることがあります。
- アイ・メッセージにする
- 肯定的な言葉で伝える
「アイ・メッセージにする」というのは、「僕はこう思うよ」と、あくまでもこちら側の意見にするということ。そうすることで、「最終的な判断はもちろんあなたのものですよ」というニュアンスが伝わるので、相手を「操作」してる感じが減るんだと思います。
そういう意味では「がんばれ」は命令形な上に相手の行動を規定している(がんばる以外の選択肢がない)ので、特に「もうがんばってるのに……」という気分の人にとっては、行動の自由を奪われた気分になってしんどくなってしまうのかもしれません。
「肯定的な言葉で伝える」というのは、ま、そのままですが、たとえば、子育て的なシチュエーションだと、
散らかしちゃダメ
より、
お片付けしよう
みたいに伝えた方がいいみたいな、そんなやつです。子育てしたことないからよく知らないですが。
この話の流れだと、「がんばれ」より「がんばらなきゃダメでしょ」とかは、だいぶ「ダメでしょ」って感じですね。そして「なんでLINEしてくれなかったの?」より「LINEしてくれてたら嬉しかったな」の方がマシ、なの、かな?やりすぎると「いつも綺麗に使っていただきありがとうございます」になっちゃいますが。
あとは、がんばるとかがんばらないとか、過程の話ではなくて、結果の方に焦点を当てた言い方をすることで、近視眼的につらくなることを避けて「うまく行ったあとの良い結果」の方に目を向けてもらいたいというのもあります。
そんなわけで、僕は「がんばれ」の代わりに「うまく行くといいよね〜」を使ってるわけですが、僕の意図どおり、変なプレッシャーなく伝わってるといいな。
というか、うまく行ってるといいな〜。
- 作者:若林 正恭
- 発売日: 2015/12/25
- メディア: 文庫