2017年6月6日。面接を控えて勉強のために『ニート』を読んでいたら、若者たちが持っている時間的な余裕に比べて、自分は本当に崖っぷちに思えてきてつらくなり、まったく眠れずに飛行機に乗った。揺れてものすごく怖かった。
そういえば同じく勉強のためにNHKオンデマンドで引きこもり支援の番組を見たりしてたら佐賀の団体が紹介されてて、佐賀のこども食堂のボランティアで会ったことある人がちらっと映ってるように見えた(確認はしていない)。
6月7日。育て上げネットの一次面接。いろんなことを話せた。別のところでも聞かれたけど「社長やってた人が誰かの下で働くことはできるのか」とか「給料がだいぶ下がると思うけど大丈夫か」などについては「大丈夫です!」と元気に答えた。実際大丈夫だし。というか他に手もないし。
面接後、数時間後には一次面接合格の連絡が来た。翌日に現場の担当者との二次面接を設定してくれた。ここでもスピード感。
6月8日。二次面接。いろいろ盛り上がってしまいシュトックハウゼンの『ヘリコプター弦楽四重奏曲』の話とかをしてしまう。「やっちまったか?」とも思ったけど、面接をしてくれた部長も課長も「ヘリコプター」とかメモをしてたので少し笑った。話の流れでうつ病についても正直に話す。ハローワークや就活本によると、そういうことは言わなくてもいいとのことだったし、いままでも応募書類に書いたりはしなかったけど、そういう話の流れになって嘘つくのは嫌だったのた。そして、ちゃんと話を聞いてくれた。
面接後、留守電を聞いたら、放課後等デイサービスの会社から「基本的には採用の方向で」という連絡が入っていた。とてもありがたかった。でもどちらかというと育て上げネットで若者支援の方をしたい気持ちになっていた。だから、そのことはもちろん言わなかったけど、電話して週明けまで時間をもらえないかと伝えた。
一応内定をひとつもらったこともあり、福岡の某ハローワークは面接辞退の連絡をした(書類審査はなしだった)。
面接の翌日の6月9日。育て上げネットから内定の連絡をもらった。そして僕の44歳高卒未経験の就活は終わった。
どこからも内定をもらえなくて佐賀で過ごすことになっても何かしらの経験は積もうと(東京に出ることにしたと書いたこととは矛盾してるけど)、福岡での約1年のチャイルドラインのボランティア講習も受け始めていたのだが、当然途中で辞めることになった。ただ、途中まででも勉強して良かったとは思う。
放課後等デイサービスの会社には辞退の電話をした。理由を聞かれたので他に受かった話をして、そちらを選んだ理由も聞かれたのでそのあたりも答えた。
何度か参加した佐賀でのこども食堂で僕になついてくれてる子たちもいたため、育て上げネットには、その子たちにお別れしてから佐賀を発つことにさせてもえないか相談し、6月19日のこども食堂のあと、6月22日を入職日にしてもらった。
急いで引越しの準備をして(佐賀に戻るときに使ったハート引越センターにした)、部屋を探して、でも間に合わなかったから最初の数日はホテルから通勤して、部屋を借りて自転車を買い直してビジネスカジュアルの服を着て、いまは楽しくコネクションズかわさき若者サポートステーションで働いている。通勤時間は自転車で6分。15歳~39歳までの「働きたいと思っているけれどひとりでバリバリ就活する自信はない」という人たちのお手伝いをしています。まだ応募して2ヶ月と少ししか経っていないのが不思議だ。働くことに一歩踏み出せない若者を知ってたりしたら教えてください。