以前石川さんの展覧会のことを日記で書いたせいか、石川さんの名前で検索してくる人がたまにいて、たぶん今度の個展の情報が知りたいんだと思うんで書いときます。
銀座ガレリア・グラフィカbisにて、10/13(月)〜10/18(土)だそうです。
詳しくは、このあたりを見ると良いのではないでしょうか。
では。
以前石川さんの展覧会のことを日記で書いたせいか、石川さんの名前で検索してくる人がたまにいて、たぶん今度の個展の情報が知りたいんだと思うんで書いときます。
銀座ガレリア・グラフィカbisにて、10/13(月)〜10/18(土)だそうです。
詳しくは、このあたりを見ると良いのではないでしょうか。
では。
2008.10.25追記はじまり。
このCD用のページを作りましたんでそちらもどうぞ。
追記終わり。
ええと、本当はある程度準備できてからご報告しようと思ってたのですが、某所でチクられたので(笑)、ちゃんとした形で、とまではいかないのだけどざざっとご報告です。
以前の日記で、新宿駅と幡ヶ谷駅の時刻表から音楽を作った話を書いたんですが、それのまとめというか、完結編(?)として、山手線全29駅分の時刻表を使ってアルバムを作りました。タイトルは「時刻表の音楽 -山手線のために-」です。
現在、高円寺の円盤というお店で入手可能なほか、円盤のネット通販でも入手可能なようです。ただ、URLの部分がHAGIHARAじゃなくHAGIWARAになってるんで、できれば変えてほしい旨を伝えていて、そしたらリンクが切れるかも。その場合は、円盤の通販ページのトップから、「山手線」で検索してみてください。ちなみに円盤のサイトでは、以下のように紹介してもらってます。
山手線の各駅の時刻表を音の配列として制作されたPC音楽作品の逸品!! 各駅ごとに様々な音楽スタイルや音楽家に捧げられており、発音の様々な音ネタやルールのアイディアだけで、相当に聞かせます。念の入った制作態度と軽さを併せ持ち、全編がユーモラスでもあるのが素晴らしい。もちろん全29駅分収録。解説も秀逸で、これ、本当に面白いです!!
ありがたいお言葉です・・・。
えー、そんで、収録曲を。
いくつか試聴(フルサイズ)のリンクも張っときました。一応僕なりの工夫(笑)で、違うジャンルのものを3つ選んでみました。新宿はエレクトロニカとかテクノとかの電気系。目白は4分音ピアノを使った現代音楽系。御徒町はエクスペリメンタル・メタル(音量注意)。
あと、素敵なジャケットを、知り合いのイラストレーター兼デザイナー兼ぬりえ作家兼いろいろである、あきやまみみこさんに作ってもらったのでそれもね。
ちなみにバックにうっすら見える格子模様、アップすると下のようになるんだけど、
なんと山手線のダイヤグラムとなっております。素敵!
えーと、あと、せっかくだから解説というかライナーというかメモ、全部載せときますか。
00 はじめに
ある日、ふと思い付きました。「時刻表を音楽にしたら面白いかもしれない」。早速、ものは試しというわけで、発着が多そうなJR新宿駅の時刻表を音楽にしてみました。すると、ラッシュアワーで音もラッシュしていたり、終電間際は音数が減って寂しい雰囲気になったり、意外と面白い曲になりました。そこで山手線一周分、29駅の時刻表を音楽にしたのがこのCDです。
時刻表の音楽への変換は、具体的には以下のような手法を採りました。まず、時刻表の1分を16分音符として扱い、電車の発車に合わせて音を出すようにします。
音高についてはあらかじめ音列を用意した上で、
(路線ID×「時」+「分」) mod 音列の要素数
で算出しました。modは剰余です。この式に出てくる「路線ID」というのは、時刻表のどの路線を使用したかというもので、たとえば品川駅の場合、「埼京線・川越線 大宮・川越方面(北行)」が1、「埼京線・川越線 大崎方面(南行)」が2となります。使用した時刻表は、2008年3月23日時点でJR東日本のWebサイト(http://www.jreast-timetable.jp/)に掲載されていたものです。
特定の人物に捧げた曲もありますがそれほど深い意味はありません(一部パロディのようなものはあります)。また、秋葉原駅や上野駅などいくつかの駅を除いて、曲と駅との関連もありません。できあがった曲には、リズムを付加したりイントロやエンディングを追加したものもあります。ただし、発音タイミングや音高は時刻表を元にしたものをそのまま使用しています。
01 品川駅 -2群の木管五重奏のために-
左側の木管五重奏はハ長調(Cメジャー)で、右側の木管五重奏は変イ短調(Abマイナー)で、それぞれ演奏しています。3回に1回はスタッカートで強く、残りの2回はテヌートで弱く吹かれます。
02 大崎駅 -小口大八のために-
6台の太鼓による組太鼓です。音列としては、音高ではなく、太鼓を叩く強さを使用しています。
03 五反田駅 -フィリップ・グラスのために-
全体を通して7拍子のミニマルなフレーズを繰り返して演奏しています。発車するタイミングで発音するのではなく、発車するタイミングで、計算式を元にした個数分だけ、弾くはずの音を変移させるようにしました。
05 恵比寿駅 -第三の男のために-
恵比寿駅の発車メロディーにもなっている映画「第三の男」のテーマ曲の冒頭の7音を、繰り返し、電車が発車するタイミングで鳴らしています。路線ごとにオクターブを変えてあります。
06 渋谷駅 -レス・ポールのために-
渋谷駅に通る6本の路線をそれぞれギターの6本の弦に見立て、ペンタトニック・スケールを演奏しています。
07 原宿駅 -テリー・ライリーのために-
「in C」風のパルスをバックに、発車時刻の数列を元に作られた32分音符4つ分のフレーズが演奏されます。
08 代々木駅 -カールハインツ・シュトックハウゼンのために-
「ヘリコプター弦楽四重奏曲」と同様、通常の弦楽四重奏とは逆の定位になっています。序盤・中盤・終盤で、それぞれフレーズが上昇・停滞・下降します。
09 新宿駅 -オギュスト・ミュステルのために-
13本ある路線のそれぞれで、チェレスタの音が奏でられます。音列としては半音階を使用しました。ムーンライトえちごは1オクターブ上、通勤快速は2オクターブ上、のように、速い電車ほど高い音で演奏しています。
11 高田馬場駅 -科学の子のために-
五反田駅と同様、全体を通して同じフレーズが繰り返されます。ただし発車のタイミングで音を変移させるのではなく、発車のタイミングでフレーズの演奏スピードを2倍・3倍・4倍と速くしています。
12 目白駅 -イワン・ヴィシネグラツキーのために-
4分音(半音の半音) ピアノによる演奏です。ペダルは踏みっぱなしです。
14 大塚駅 -ロバート・フリップのために-
ロバート・フリップ風のミニマルフレーズが、時刻表の時間が進むごとに全音づつ高くなって行きます。発車のタイミングで音を変移させています。また、全体にフリッパートロニクス風のエフェクトをかけました。
15 巣鴨駅 -八橋検校のために-
箏曲「六段」と同じ双調・平調子に調弦したものを音列として使用しました。路線によって音の定位を変えたりはせず一台の箏の曲としています。発音タイミングが重なる場合はグリッサンドや押し手を使用しました。
16 駒込駅 -モートン・フェルドマンのために-
電車が発車するタイミングで音を鳴らすのではなく、時刻表での30分間の間は音を溜めておいて、30分に1回だけ音を出しています。同じ高さの音が重なった場合はオクターブを変更しました。
17 田端駅 -青少年のために-
ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」と同じ順番で各楽器が演奏されます。「むち」の後にトゥッティで演奏されるのも同様です。
20 鴬谷駅 -ウグイスとウグイス嬢のために-
サンプリングされたウグイスの声のピッチを変更し、音列として使用しました。途中、ウグイス嬢の声のサンプリング音が挿入されます。
21 -上野駅 -動物たちのために-
48種類の動物の鳴き声が音列として使用されています。オープニングとエンディングのみ、計算式で算出した鳴き声以外の音を使用しています。
24 -神田駅 -クシシュトフ・ペンデレツキのために-
音列としてトーン・クラスターを使用しました。路線ごとにオクターブを変えたクラスターが、発車のタイミングで上下に半音づつ移動するようにしています。
26 有楽町駅 -ヴァルター・シュピースのために-
ケチャ風の音楽です。
27 新橋駅 -ジェラール・グリゼーのために-
E(ホ音)の第1倍音(165Hz)から第29倍音(4,785Hz)までの音の中から時刻表の時間に応じて音を選択し、恵比寿駅と同様、順番に鳴らしています。
29 田町駅 -オリヴィエ・メシアンのために-
「世の終わりのための四重奏曲」と同じ編成で、「移調の限られた旋法」を音列として演奏しています。
あ、そうそう、値段は1,000円(税別)です。どこの駅かは内緒だけどボーナス曲も1曲入ってるんで、1曲あたり約33円。チロルチョコを2回我慢すれば大丈夫。これはもう買うしかないよね、というわけで、秋の夜長のお供に、ぜひ、お聴きになってはいかがでしょうか?とりあえず、知り合いの鉄の人に勧めといてください。よろしくね。