萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

44歳高卒未経験のハローワークその2「めざせカウンセラー」

佐賀に戻ってほぼ丸一年経った2016年2月3日に『セラピスト』を読み終わった。読んだらカウンセラーになりたくなった。正確に言うと「カウンセラーになら、なりたい気持ちになれるかもしれない」と思った。その頃は本当にもう何もやりたくなくて、仕事をするなんてことはまったく想像の埒外だった。だけどカウンセラーになら、なってみたいかもしれないと思った。

それからカウンセラーという職について調べた。どうやら食えないようだった。そしてカウンセラーとして一番ちゃんとしてるのは臨床心理士でありそうなこと、でも臨床心理士になるには大学院を出なければならず、大学を中退している僕には無理ゲーだということがわかった。

そこで他の資格について調べてみた。たくさん資格があったが、産業カウンセラーという資格と、精神対話士という資格が見つかった。産業カウンセラーは実習の時間が豊富にあること、精神対話士は資格取得後すぐに仕事がもらえることが魅力だった。どちらも講座の申し込みがちょうど2月末で、こういう偶然は大事にしたい方だし、申し込んでしまうことにした。が、ふたつの講座は日程がかぶっていた。でも産業カウンセラーは年1回開催、精神対話士は年2回開催なので、とりあえず産業カウンセラーの講座に申し込むことにした。

しかし問題はお金だった。まだ会社に籍があり、給料はゼロだったが傷病手当金障害年金をもらっていたので、急速にお金がなくなる訳ではなかったのだが、仕事に就ける目処がまったくない以上、最大でも1年半しかもらえない傷病手当金に頼る訳にもいかない。最終的には「どうしようもなくなったら生活保護をもらおう。無理なら死のう」と思いながらカウンセリングの勉強を始めることにした。

講座は2016年4月に始まった。働きながら通う人がほとんど(というか僕以外全員)なので基本的に週に1回日曜日だけの講座なのだけど、特に最初のうちは出席するのがつらかった。できるだけ早めに起きて1時間と少し前には会場近くのミスドに行き、予習をしていた。

カウンセリングの勉強をすることで、いままで自分が受けていたカウンセリングのとき感じた「なんでこの人アドバイスくれないんだよ!」という疑問への答もわかった。アドバイスしたらいけないというか、アドバイスしてもしょうがないんだね。自分が決めたことでないと結局できないから。でもそのことを僕のカウンセラーは、僕にわからせる必要はあったなと思う。

2016年9月、急に思い立って行った東京旅行のついでに渋谷のハローワークに行った。担当の人に相談したのは、「大学を中退して、コンピュータ雑誌の編集者を3年やった。そのあと、主にWeb関係のプログラムを作る会社を20年ほど経営していた。いまはカウンセラーになりたい。どんな仕事があるか。そもそもやれるのか」というようなことだった。担当をしてくれた人はすごくいい感じの人で、辛抱強く僕の話を聞いてくれた。ただ、いわゆる「クリニックでのカウンセラー」みたいな、いかにもカウンセラーらしい仕事は年齢や経験から無理そうなことも教えてもらった。そもそも僕にはどんな仕事が向いてるんだろうという気持ちから受けてみたかった職業興味検査は、若い人向けのデータしか揃ってないから受けても意味ないということで受けさせてもらえなかった。でも、ハローワークでのいろんな職業検索のコツを教わったりして、そして1時間半も話を聞いてくれ、とても感謝している。