といっても去年のことだけど。
40歳になって初めて海外に行きました。元々高所恐怖症気味なところがあり、その上、飛行機の中で『超音速漂流』という航空パニック小説を読んで以来飛行機が怖く、そんな何時間も飛行機に乗るなんて無理、と。
が、いろいろあって高所恐怖症が少しずつ治ってきたところに、しりあがり寿さんたちがベネチアに行くらしいという情報をキャッチしたんですね。何人かで行くってことだったので、その旅行に混ざってしまえば、「ビザってなに?10回クイズに関係ある?」みたいな僕でも何とかなるんではなかろうかと。
で、「ちょいとイタリア行きますたぶん2週間くらい」的な話を会社の定例会議で報告したところ、「ヨーロッパ遠いですよー。飛行機ずっと乗ってないとダメですよー」と脅されたわけ。飛行機大丈夫になってきたとはいえ別に好んで空中にいたいわけでもないんで、うーん、参ったなと。そこでまずは、以前うちでバイトをしていたオーストラリア人がいるシドニーに行ってみることにしたわけです。ヨーロッパよりちょっと近いし、時差もあんまないしね。
Facebookで「ちょっとシドニー行くんでよろしくー」と連絡して、南半球へゴーです。
シドニー
初の海外の準備などでいろいろ買い物が重なり、旅行に行く直前に海外旅行保険に入ろうとしたところクレカが限度額になるというハプニングもありつつも、約9時間のフライトに耐えて早朝のシドニーに到着。7月の末に行ったんだけどオーストラリアは冬だったんで「ほんとだー。やっぱすげー」とか思った。
「海外に行く」ということしか目的がない旅だったので特に予定は立ててなかったんだけど、空港まで来てくれたうちの元バイトに「ドコイキタイデスカ?」と聞かれ(本当はすごい流暢な日本語)、「ワガママ」と答えました。
ワガママ、それはイギリス生まれの日本食チェーンで、世界に展開しているけれど日本にはまだ来てない。いわゆるギミック和食なラーメンも楽しみだったけど、何よりその店名が素敵だったので、行かざるを得なかった。
味はまあ普通だったかな。
シドーニーでは、あとはダイソーとか紀伊国屋とか一風堂とかに行って、日本がどう受容されてるのかを楽しみました。一風堂がGUCCIとか入ってるオシャレなビルの中に入ってたのが印象的だった。
全部で3日間の旅行だったのだけど、ふつか目はシドニー在住のTwitterお友達にビーチやらを案内してもらい、3日目は元バイトの子がBlue Mountainsっていう観光地(たしか国立公園)に連れて行ってくれて、予定ゼロでもすごく楽しめました。
帰国の日の朝、いつも目覚ましに使っている古いiPhone(機内モードにしているため自動で時差調整されていない)が鳴ったとき、寝ボケたアタマで「なんだよ1時間間違えてセットしちゃったよもうちょい寝るムニャムニャ」とかやってたらその1時間は自動調整されてない時差で、「は!」とそれに気付いて起きたときには、すでに空港にいるはずの朝6時でした。
「初海外で帰れなくなるのー?」とか思いながらとにかくいろんな道をダッシュ、初日は元バイトに案内してもらったためひとりでは初めて乗る電車にドキドキしながら搭乗口に着いたときには、離陸数分前でした。
なんかやっぱりダラダラ書いちゃうなあ。
ちなみにオーストラリアでの一番の感想は「よくこんな遠いところにあるよその人の国まで来て国を作ったな白人」でした。
あとトイレのマークが赤と青じゃないのが面白かった。
ベネチア
長くなったのでちょっとかいつまみます。
モスクワ経由でイタリアに行ったのだけど、ネットで日本語を教えてたロシア少女に「いまモスクワ空港だけどお茶しなーい?」って言ったら「ごめーん、無理ー」って断られた。
ベネチアはすごく綺麗な街で、車が入れないってのが一番気に入った。静かで。
結局イタリアへ行ったのは8人。ふつか目かな、みんなでごはんを食べてるとき、持ち前の団体行動苦手ぶりが出てしまい、「僕、ちょっと先にホテル帰りますねー」って外に出たら思いっきり迷子になってしまう。しかしあまりあからさまに迷ってる風なのもマズいと思いすごい余裕なふりしてずんずん夜のベネチアを歩いてたら1時間くらい経ってもホテルに着かず焦った。
ゴンドラは気持ち良かった。
それにも増して水上バスが気に入った。シドニーでも思ったけど、みんなお年寄りを大切にするのが印象的だった。
仮面についてツイートしたところ何人かが反応をくれたので本当にお土産で買ったところ荷物になってわりと大変だった。
そうそう、メインの目的である美術祭ベネチア・ビエンナーレは、まあまあって感じだった。やっぱり僕は五美展が好きみたい。
イタリアでも仕事できたし、あまちゃんも見れた。
マルセイユ
みんなはベネチアの次にフィレンツェに行ったのだけど、僕はひとりでマルセイユへ。さるプリで『フランス小学生日記』を書いてくれてる女の子たぬぽんと、3DSのファッションゲーム『わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言!』の対戦をする約束をしていたので。
マルセイユに行くときひとりで水上バスに乗って空港まで行ったのだけど、けっこう沖合を行くのが気持ち良かった。1時間ちょい乗ってたのかな。
エールフランスの機内では客室乗務員のおっちゃんが日本語少し話せるみたいで「コンニチワ」とか言ってくるのが楽しかった。
マルセイユではたぬぽんママが「治安が悪いから気を付けて」とさかんに言うのだけど、どう気を付ければ良いのかわからずわりと困った(笑)。
たぬぽんとめでたくGIRLS MODEで遊べたわけだけど、日本ではないのでまわりにGIRLS MODE持ってる人もいなかったらしく、対戦プレイをやれてすごい嬉しかったみたい。そして僕も嬉しかった。対戦というか、手持ちのコーデを元に一緒にファッションショーを開くという通信プレイで、「じゃあ今度のテーマはプレップで行こう!」とか「次はポップにしようよ!」とかやってました40歳の男子と10歳(たぶん)の女子で。
夕焼けが綺麗だった。
教会も綺麗だった。
パンがすげえうまかった(これはイタリアも)。
何度もムッシュと呼ばれた。
マックに行ったら子供が物乞いに来た。
ローマとバチカン
バチカン美術館の広さが圧倒的で、そんで一番思ったのが、これ全部一点物なんだよなあと。それを作らせる財力とか動機とかに底知れぬ恐しさを感じたりした。
わりとひとりでふらふらとして、BARに入ったりするのが楽しかった。でも「寿司」という看板がかかってるBARに入ったらやってるのは中国人でメニューに寿司はなかった。
せっかくイタリアにいるのでMUSIC SHAREのゲネマチ(現代音楽にネタを求めるのは間違っているだろうか)のネタをシャリーノにして、コロッセオの前で撮影した。
ピザはそんなにうまくなかった。スパゲティがちょううまかった。
地下鉄でキッズたちに「ジャポネーゼ!ジャポネーゼ!」と言われた。
ローマでだったか忘れたけど、少し長い列車移動のときにみんなから離れてひとりで座ってたら(こんなんばっかだな)前に座っていたイギリスの老夫婦から話しかけられ、原発についての会話をした。話している途中で実はその人は原発の技術者だということがわかった。日本にはがんばってほしいと言ってくれた。
おみやげを買う、という感覚が自分の中にないことが面白かった。でもちょっとだけ買った。