萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

最近読んだ本

本も、少しは読んでます。

これもちょっとづつ。

井沢元彦/逆説の日本史11 戦国乱世編: 朝鮮出兵と秀吉の謎

たしかこの巻だったと思うけど・・・。最近ちゃんと書いてないから忘れてるな。

で。

現代、室町時代が終わろうとしているそうです。

なんか、信長大好きなんだねえと思った。

グレゴリー・チャイティン/メタマス!―オメガをめぐる数学の冒険

ちょっと僕には難しかったけど。停止問題とか不完全性に関する、数学の本。ただし普通の人に向けて書かれた本なので平易になってるそうで。「役に立つかなんでクソくらえだ」というスタンスが爽快だったりする。

ニュートンの暗黒なところとか、「もう一度人類が最初から進化をやり直したら、はたしてまた素数が重要な問題になるのかどうか」という問題提起とか、面白いところもいろいろあった。

コンピュータ科学側からの視点なので、「理解とは圧縮だ」という発言があり、なるほどなと思った。

この本を読んで以来、多少、ゲーデルまわりの本を読んでみたりしている。

エリエット・アベカシス/クムラン (角川文庫)

死海文書にまつわるミステリー、みたいな小説。

宗教ネタは興味あるから、ある程度の知識はあるつもりだったけど、あんまりわからんかった。

残念。

中堀豊/Y染色体からみた日本人 (岩波科学ライブラリー)

ミトコンドリアのイブは有名だから知ってる人も多いだろうけど、Y染色体は男系でしか遺伝しないから、Y染色体を辿ると、そっち方向の流れが分かるんではないか的な本。

いろいろ面白い話があって、たとえば遺伝子の話の影響で、どうもみんな形態の方を重視する傾向があるけれど(特に進化に関して)、実は形態よりも行動の方がより影響を与えたのではないかとか。ヒトはオスとメスで染色体が違うけど、実はそういう生物の方が少ないんだとか。ヒトの女性は、胎児のころに作った卵を40歳になっても利用している話とか。

あと、よく縄文人とか弥生人とかいう話を、いまの人間に対して使う人がいるんだけど、そういうのって、僕、わりとダメなんですね。だってさ、もう混ざってるでしょとか思うし。でも、よく考えたら、混ざり具合ってのは存在するわけで、この本によるとY染色体のタイプによって精子生産の波(一年のうち、いつ生産量が増えるか)とか違うらしいです。それぞれ、得手不得手があるみたいなことで。面白いね。

自分の感想メモに「性的な侵略、喫茶店」って書いてあったけど、読んでから随分経つので忘れた・・・。

全体的には、日本人はどこから来たかではなく、日本という場所で何が起きたかについての本。面白いなと思ったのがY染色体から見たら日本人というのは、というか日本の男性というのは、大陸の落ちこぼれであると。落ちこぼれたちが、一度目は縄文人として、二度目は弥生人として、それぞれ大陸からやってきて、でも完全に駆逐しあうのではなく、共存してきたことに、日本という場所の特性があるんではないかと。

あ、そうそう、Y染色体から見た万世一系批判も載ってたので、そういうの興味ある人は読むと良さそう。

篠田謙一/日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス)

もういっこ遺伝子ネタ。

特になるほどと思ったのが以下の話。

20世代、つまり500年程度さかのぼっただけで、100万人を越える祖先が存在することになる。でも、遺伝子の数は数万個。ということは、遺伝子を伝えていない祖先というのが、沢山いると。なんとなく、自分の祖先の集団というのがぐわーっといて、その人たちからの影響をいろいろ受けてる気がしたんだけど、意外と残らない遺伝子もあるんだねと。それが意外だった。もちろん、ミームというか、しきたりみたいなことで、受け継いでいるものは多いにしろね。

あと、現生人類がアフリカで生まれたのは有名だけど、DNAの調査的には、最初にアフリカを出たのは150人ぐらいらしい。なんか、ひえーって感じ。150人って、なんか、想像できる規模の人数だもんね。あと、遺伝子の多様性からすると、人類の次のブレイクスルーはアフリカで生まれる可能性が高いという話も。

この本でも、さっきの本と同様、縄文から弥生への移行が基本的には平和裡に行われたと書いてあって、なるほどと思いました。

永江朗/ベストセラーだけが本である

もちろんこの著者の本なので、本当に「ベストセラーだけが本だ」という話ではなく、「ベストセラーだけが本だ」というような扱いをしている現在(この本が書かれたのは2002年)の出版にまつわる問題等を扱ってると。

わりと面白かった。

それぞれの年のベストセラーのタイトルと見出しの一覧が載ってたんなけど、なんか、DSのタイトルみたいだった(脳トレみたいな感じだったということ)。うーん、って感じ。

ちょっと驚いたのは、書店も図書館もない市町村が787もあるらしい(全体の24%)。熊本件は94市町村のうち48市町村に、書店も図書館もないんだってさ・・・。

ちょっと前の本なので、いまだったらどう書いてたかなあと思った。特に、ケータイ小説とかね。

ノンフィクション(っていう言い方であってる?)の面白い本って、「いまだったらどう書くんだろう」と、いつも気になる。

結城浩/数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

この本を好きな人がいるのは理解しつつだけど、僕は、なんだかものすごくイヤな本だと思った。気持ち悪い。うっとうしい。

特に、後輩の女子から数学の相談をされて、ノータイムで教えモードになるのは何なんだろうと。そういう本だから、ラノベだから、にしても、あまりにもそこに葛藤がなさすぎるというか。

本格ミステリについて「人間が書けてない」という批判は、こういうことなのかしら。

うーん。

しかし、自分を教える立場にしてくれるかわいい女の子ってのは、きっと理想的なファンタジーなんだろうな。

で、結局、気持ち悪すぎてほとんど最初の方で挫折。

なんか、最悪だ、この本。