ロバート・アーリック/トンデモ科学の見破りかた -もしかしたら本当かもしれない9つの奇説
ちょっと、タイトルが強引なような・・・。原題「NINE CRAZY IDEAS IN SCIENCE」。つまり、トンデモというわけではないと思うのよ。イキっぷりが楽しいアイデア集なわけで。
「石油の人の話が面白かった」って自分のメモにあるんだけど、どんな話だったか覚えてないよ・・・。
ところで、オッカムの剃刀って、真理ではない可能性もあるような気がするんだけどどうなんでしょう。
大矢真一/和算以前 (1980年) (中公新書)
ひとつ、ふたつ、みっつ、のみっつは、mの音が、「また」、「増す」、「あまた」、「群れ」というところから、多数のことを意味していて、満つ→みっつ、ということらしい。
よっつも、yの音が「いよいよ」とかなので、yには、たくさんとか、終わりの意味があるのではと
昭和55年の本なので、現在は違う話になってるかもしれんが。
割り算の九九があったとか、昔は九九は9×9=81から始まってたとか、面白い話もあったけど、途中で飽きてしまった。
藤原正彦/藤原正彦 天才の栄光と挫折 (NHK人間講座)
ニュートンの章で面白かったこと。ハレーから助けられた話とか、フックとの確執の話とか、不幸な幼少時代の話とか。
数学者が学会やシンポジウムへ出席するのは、研究連絡や新しい知識の吸収のためということになっている。が、本当のところは、研究仲間との何気ない会話の中から生まれる、誉め言葉か励ましや連帯感、が欲しいのである。これがあってはじめて、孤独な研究に耐えられるのである。
金銭や地位に目もくれない数学者はいくらもいるが、数学上の名声に憧れない数学者は皆無である。
このへんは、そうだよねえと思った。数学者だけじゃなく。
天才は一日にして成らず。天才はひとりでは生まれない。
ラマヌジャンの話は泣くしかない
橋元淳一郎/時間はどこで生まれるのか (集英社新書)
時間は色や温度と同じ、みたいな話だったと思うけど、正直、あまり理解できませんでした。
村上雅人/図解でウンチク 超伝導の謎を解く
なんか、常温超伝導のイメージが強くて、勝手に「終わった」技術と思ってたけど(失礼)、そんなことなかったねごめんなさい。超伝導電磁推進船なんてのもあるそうで。
いろいろ、超伝導に関するイメージが変わる本だった。なぜ超伝導が起きるかも、図解を含め、丁寧に解説してあって良かったし。
あと、超伝導の表記、省庁間で違いがあるという話も面白かった。文部科学省は超伝導、経済産業省は超電導だそうです。
磁石の話が面白かった覚えがあるけど、どう面白かったか覚えてない。
ちなみにこの本とか、少数言語としての手話とか、図書館のオススメコーナーで見つけたもの。結構楽しい本が面陳してあるので良いです。あとよくやるのが、カウンターの後ろにある、予約されてる本が並んでる棚を見るって方法。予約してまで読まれる本は、やっぱり面白そうなのが多い。
村山貢司/降水確率50%は五分五分か (DOJIN選書 8)
もうちょい理系っぽい話かと思ったら、なんかウンチク本みたいな感じで、で、そんなに天気に興味ないので途中で読むのやめてしまった。
ただ、ちょっとビックリしたんだけど、降水確率が表示されるようになったのって結構最近なのね。1980年に関東だけ、1986年に全国で実施されるようになったと。
あ、ちなみに天気関係の人は、降水確率30%ぐらいで傘を持って行くそうです。
竹内久美子/千鶴子には見えていた!―透視は、あっても不思議はない
理系っぽいものコーナーに入れてますが、これを科学の本だと思ってるわけではないのでご心配なく。
「とうとう透視もアリとか言い出した」とか思って読んでみた。科学を隠れみのにした猥談だね。ご神託みたいな感じが増えた。つまり、この本って、読者の質問に答える形を取ってるんだけど、竹内久美子に関係ないだろうという質問にも、ご神託みたいな感じで答えてると。
やっぱり辛くて途中までしか読まず。
しかし、昔は結構この人の本、楽しく読んでたんだけどなあ。
トンデモ超常現象99の真相
正しいことの方が面白いってなかなか難しいと思うのだけど、と学会の人たちは、うまくやってますよねえ。
ただ、やっぱり、今回はわりと直球だったので、少し難しかったかなあ。
僕はムーとか読んでたクチなので、わりといろいろ知ってたのが笑った。「なつかしいな、グランドクロス」とか。
で、最後まで読み終わって、この本、持ってるような気がしてきた。図書館で借りたんだけど。
各章の扉のしりあがりさんの絵がおかしかった。
ニール・F.カミンズ/もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅
タイトルの通り、「もしも月がなかったら」という世界を始め、ありえたかもしれない10種類の地球について、できるだけ科学的に思考実験をしてみるという本。
わくわくできる。
いくつか書いておくと。
もしも月がなかったら?
- 1日が8時間
- 強風が絶えず荒れ狂う
- 光による言語
- とりあえずの宇宙探索目標としての月
- 月がないので初期の暦が難しい
もしも地球の質量がもっと小さかったら?
- 重力が減る
- 内部のマグマが減って大陸移動が起こりにくくなる
- 大気が薄いので隕石が燃え尽きることなく激突
- 生物は肺を大きくするため、背を高く、胸を厚くする
もしも地軸が天王星のように傾いていたら?
- 1日中昼が数ヶ月、1日中夜が数ヶ月
- 寒暖差が激しすぎる
- 植物は根を地中深く伸ばす
- 動物は冬眠と渡り
もしも太陽の質量がもっと大きかったら?
- 地球の公転周期を3.5倍にしないといけないので1年の長さが5倍に
- 地表は万年雪に閉ざされる
- 強力な紫外線がオゾンを破壊
- 赤色巨星がすぐそこに
アレックス・ビレンケン/多世界宇宙の探検
多世界宇宙についてだけ書くのではなく、最近の宇宙論の概観を丁寧に書いていきつつ、自分の考えであるところの永久インフレーション理論やらを説く、みたいな本。ちょっと難しかった。可能なら、何度か読みたいかなあと。
アキレスと亀のパラドックスを理解できなかった僕だけど、量子論的に無限小への分割ができないということがわかり、パラドックスが理解できるようになったのが良かった。本当の理解とは違いそうだけど。
永久インフレーション理論の結論としての多世界宇宙、つまり、起こりえた過去はすべて起こっている別の宇宙がある、というのは、なんだか途方もなくてちょっと参る。でも、起こりえた過去はすべてあるけど、起こりえる未来がすべてあるわけじゃないというのは、なんだか面白い話だなあと。
あと、この手の本を読み終わったときに感じる荒涼とした気分が、最後の「SFかよ!」的なオチでなくなったのがちょっと良かった。
山村吉信/1+2=3―足し算に潜む迷宮
一応、高校までは物理と数学が得意で、つっても文系だから大したアレじゃないんだけど、でもって大学に入って数学の授業を受けたら、最初の授業で延々と、0と1は何が違うんだとか、そういう話をされてポカーンって感じでした。
で、リベンジじゃないけどこの本を読んでみたと。
そしたら、やっぱりよくわかんなかったと。
全然、違う話ではあるけどね。こちらは、コンピュータ科学の話に近いみたい。
でも、ラムダの話の、ベータ変換で、ついていけなくなった・・・。
エレン・ラペル・シェル/太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 (ハヤカワ・ノンフィクション)
思ったより面白かった。
原書は「The Hungry Gene」というタイトルで、そういう意味では「ハラペコな遺伝子」というタイトルの方が良いかなと思った。
なんでそう思ったかというと、前半はずっと、サイエンスライターの著者が、肥満に関係する遺伝子の話とかをしてたから。
でも後半では、ミクロネシア連邦が欧米化して大変なことになってる話など、社会の問題の話も出てきたんで、このタイトルで良いのかな。
いろいろ学んだけど、とりあえず印象に残ったのは、食いすぎると、もっと食うようになるということ。
気をつけます。