萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

五美大展とハンバーグ男のヴァイオリン発表会

午前中の話。

正確には五美大展ではないかもしれんけど、六本木は国立新美術館へ、東京五美術大学連合卒業・修了制作展を見に。昔家庭教師してた子が、今年卒業で、作品を出していたので。

会場がえらい広くて、かつ特に順路の指示とかなかったので、なんとなくカンで見てまわった。学生の展示というだけあって玉石混淆で、面白いものもあれば青くてイタいなあというのもあり、あと、「ああ、もうこれはこのまま金になるな」というものとか、なかなか良かった。5つの美大が連合してるのでかなりの作品数で、それもお得感あり。知り合いの子の展示は、モノ自体がデカくて存在感があり、良かった。その子は高校3年のときに、「大学に入ったら大きいものを作りたい」って言ってたんで、願いも叶って良かったのではと。

あと、他にもいろいろと気に入ったものがあったので一応リスト。

  • 多摩美術大学
    • 馬場俊光:清浄・不浄
      • なんだか清涼感のある色使い等が好き
    • 林奈津子:たゆとう
      • 金属とは思えない柔らかさが良かった
    • 小田原のどか:馬
      • 「鉛筆・けしごむ」で巨大な脚立のようなものが作ってあった。圧倒的な存在感と素材のちぐはぐさが面白かった
  • 女子美術大学
    • 牛嶋直子:scenery
      • 光っている町の遠景、と言ってしまえばそれだけなのだけど、光の感じが好きだった
    • 玉山(張)雅美:おかえりLight
      • 重ねられた透明のパネルと鏡が綺麗
    • 中藤理恵:Crossed wiring - light box
      • 重ねられた透明の板にカービングしてあったのかなたぶん。綺麗。こういうのが好きなのかも
    • 白石真理:lattice
      • 直線的な赤と黒のオブジェ。抽象画がキャンバスを抜け出してきたようでカッコ良かった
  • 東京造形大学
    • 長沼千絵:あけるまえ
      • えーと、どんなのか忘れてしまった・・・。ごめんなさい・・・。資料にシルクスクリーンって書いてあるから、たぶん質感が好きだったのだと思うけど・・・
    • 平嶺林太郎:het
      • 普通の市販の脚立(たぶん)を組み合わせてオブジェにしてあるのが、なんか下らなくて良かった
    • 黒田恵美子:Strange face II
      • 普通の絵といえば普通の絵なんだけど、普通の表情の絵の中に、なんだかちょっとだけ普通じゃない表情の顔があり面白かった
  • 日本大学芸術学部
    • 水口奈津季:春の予感
      • 普通の油絵といってしまえばそうなのだが、なんかですね、今風の若い姉ちゃんの上に花びらが舞ってる様が、なんというか、絵に対してこの表現は如何なものかとは思うが、絵になってた
  • 武蔵野美術大学
    • 今井康子:室内温度23℃
      • 部屋を上から見て描いた絵、みたいな感じかな。なんか微妙な生活臭が楽しかった。「パイの実」とか(記憶違いだったらごめんなさい)
    • 小林健太郎:冬
      • なんだかカッコ良い襖絵だった
    • 日高典子:証
      • これ、今回一番好きだった作品。レシートから文字の部分だけを切り取って、残った白い紙が貼ってある。存在のなさで存在を際立たせる、とかめんどくさい解説は抜きにして、オブジェとして圧倒的にカッコ良かった
    • 山口祐貴子:足の甲に丘ができました。
      • 下らなくて良かった
    • 門馬英美:記憶(4点組)
      • ええと、ちゃんと覚えてないんだけど、たぶん、ものすごくミニマルな絵だったような覚えが。細かい模様が幻想を誘うような感じでカッコ良かった。たぶん
    • 福島美保:pin
      • たかーいところに、紙で作った人形がピンで止めてあった。彫刻コースの人みたいなんだけど、いろいろやって辿りついたのがここ、みたいな感じが楽しくて笑った

以上、作品名に印付けてただけなので、ものすごい勘違いとか記憶違いとかあったらごめんなさい。

そして午後は、ハンバーグ男であるとこのヌンチャク小松くんのヴァイオリンの発表会へ。去年の年末のイベント用に習い始めたヴァイオリンだけど、その後もちゃんと教室に通っていて、今日は、その発表会だったのです。しつこく「発表会あったら誘ってね!」と言ってたおかげで教えてもらえた。

で、これがもう、本当に行って良かった。ものすごく面白かった。

ちっちゃい子たちが緊張しながら頑張ってヴァイオリン弾いてるのもかわいかったし、大人たちが子供たち以上に緊張してヴァイオリン弾いてる様はものすごく素敵だったし、その、緊張して言葉は悪いけどメタメタになってるヴァイオリンにものすごく的確に合わせてくれるピアノの技術はまさに神技だったし。あと僕は最近現代音楽が好きなので、微妙に音程が合ってないヴァイオリンの音が、それはそれで気持ち悪くて気持ち良い感じで。なんか、フレットないから、緊張感が、そのまま指に出ちゃうんだろうね。大人の人たちは、リズムがぎこちない人は多かったけれど、わりと音程的には安定していたのに対して、少なくとも僕が見た子供たちは、リズムは大丈夫だし、ビブラートなんかもきれいにかけてるんだけど、肝心の音程が、ちょっと甘かった。いや、だからダメ、じゃなくて、そこが良かったって話(変態)。あと、変態つながりで言うと、あんなにたくさんの「緊張した顔」というものを見れたのも素敵だった。ライブはいろいろ観るけれど、今日ほどの緊張感は感じられないわけで。というか、今日の小松くんの出番の前は、観てるこっちが緊張したよ(笑)。

後半、複数の人たち(兄弟とか)でヴァイオリンを演奏するパートがあり、これが音程が甘い音が複数重なるもんで、僕としてはもう、至福の世界。とかいう書き方すると、イヤな感じかなあ。でも本当にそうだったからしょうがないよね。でも、下手(と言い切ってしまうが)でも、発表する場があるというのは、ものすごく大事なことだと思った。だってたぶん、その発表によって、前より下手じゃなくなるから。江川ほーじんも「1,000回スタジオに入るより1回ライブした方が良い」って言ってたし。たぶん。

あと、その複数の人たちのパターンとして、息子と父親、息子と娘と娘と父親、というパターンがあり、パンフレットに父親のことを「お父様」と書いてあるのが面白かった。半分「けっ」と思い、半分「そりゃそうだよな」と思う。子供たちと一緒に演奏って、そりゃ、楽しいと思うよ。子供たちも、ヒネずによく育ってて素敵ね(内面がどうかは知らんけど)。

というわけで、今日はアマチュア芸術に触れる日でした。どっちもタダだったんだけど、タダでこんなに面白いものをいろいろ見れて、本当に幸せだったよ。