萩萩日記

世界に5人くらい存在するかもしれない僕のファンとドッペルゲンガーに送る日記

いろいろ語のしくみ(フィン・ラ・ノル・スワ・中・インドネ・伊)

白水社から「○○語のしくみ」ってシリーズが出てまして。外国語学習の入門書の入門書みたいな感じで、「通読できること」を目指した本なんですね。で、いろんな言語のが出てるんでこれは面白いと。CDも付いてるし。というわけで、いろいろ読んでみました。最初はシリーズ全部を読破してから感想書こうかと思ってたんだけど、それだとかなり時間かかりそうだったので、とりあえずいまのところ読んだものについて。フィンランド語、ラテン語ノルウェー語、スワヒリ語、中国語、インドネシア語、イタリア語を読みました。どの本も、以下の構成になってます(全部ちゃんと調べたわけじゃないけど、たぶんそう)。

  • 文字と発音のしくみ
  • 書き方と語のしくみ
  • 文のしくみ
  • 区別のしくみ
  • 人と時間のしくみ
  • 「てにをは」のしくみ
  • 数のしくみ
  • 実際のしくみ

以下、読んでみて、「へえ」と思ったことを、たらたらと。読んでから時間経ってるのもあるんで、自分でも「これなんだっけ?」ってのあり(哀しい)。

吉田欣吾/フィンランド語のしくみ

まず手を出したのは、わりとマイナーそうな言語であるフィンランド語。フィンランド語は北欧の言語の中でもわりと孤立してるみたいなことを聞いたことがあったので、どんなもんだろうと。

語学の本って「日本語でも使われてる○○って言葉は、実は○○語が元になってるんですよ」みたいな表現をよくするけど、さすがにフィンランド語から日本語(もしくは日本語でよく使う外来語)になってる言葉ってほとんどなく、そのあたり、導入の部分、ちょっと苦しそうだった。逆にそこが、ほほえましい感じがして良かったけど。

彼と彼女が同じ形

英語とかだとheとsheで区別大変だったり(ミステリで犯人がわかりそうになったり)、逆に区別しちゃマズイとき(政治的に正しい発言をしなくちゃいかんとき)に面倒だけど、そのあたり楽で良いなあとか、リベラルだなあとか。別にそういうことじゃないだろうが。

「ありがとう」という意味の「kiitos」には「お願い」の意味もある

「Tee, kiitos.」で、「お茶、お願いします」という意味になる。「お願いします」と言うときに使う言葉と「ありがとう」というときに使う言葉が同じって面白いなあと。だから、実際にそういう表現をするかどうか知らないけど、「Kahvi, kiitos.(コーヒー、お願いします)」)と言ったあとに、「Kiitos kahvista.(コーヒーをありがとう)」と言うのって、なんか変な感じ。

「です」と「はい」が同じ言葉

どっちも「on」というらしい。僕の知り合いで、Yesの意味の返事をするときに「ですです」と答える女子がいるんだけど、そんな感じだなあと。

語頭の子音連続は消える

だから、「France」は「Ranska」となるそうです。frの部分がマズイんだろうね。

MikaとAkiは男子

そんだけ。

疑問文でも語尾を上げない

らしいです。

性がない

ヨーロッパの言葉って女性名詞とか男性名詞とかあって大変そうな気がしたけどフィンランド語は、そういうのないみたい。印欧語族じゃないしね(そういう理由かどうかは知りません)。

冠詞がないから語順が大事

自分のメモに詳しいことが書いてないから詳細忘れたけど、「Tuolla on poika.」だと、あそこにいるのは「女の子」じゃなくて「男の子(poika)」だという意味になって、「Poika on tuolla.」だと、男の子がいるのは「ここ」じゃなくて「あそこ(tuolla)」という意味になるとか、そういうことだったんじゃないかと。後ろに来てるのが新情報。

母音の仲間割れ

これは「へえ」と思ったことじゃないけど、このシリーズって、なるべく難しい文法用語を使わないようにしてるのね。でも、さすがに「母音の仲間割れ」ってのはどうだろうと思った。たぶん「母音調和」とか、そういうことだと思うんだけど。

形容詞がそのままで名詞の役割を果たすこと

「sairas」で、「病気の」という意味だったり、「病人」という意味だったり。まあこれは、英語なんかもそういうときありますね。

語り口が優しい

フィンランド語が優しいんじゃなくて、この本の語り口が優しいということ。良い感じ。

「できる」のふたつの形

「osata」は、能力があるのでできる。「voida」は、条件が調っているのでできる。中国語もたしかそういうのあったと思うし(「能」と「会」と「可以」)、このあと、他の言語の本も読んで思ったのは、全部「できる」になってる日本語の方が珍しいのかなあと。

未来形や進行形に特別な形がない(語形変化しない)

なんか嬉しかった。フィンランド語って、語形変化しまくる印象があったので。

まるで「てにをは」があるみたいだった

で、あとで調べたら膠着語のようなので、あながち間違った印象ではなかったかなあと。Wikipediaによると、「膠着語に分類される言語は、ある単語に接頭辞や接尾辞のような形態素を付着させることで、その単語の文の中での文法関係を示す特徴を持つ」そうです。ちなみに日本語も膠着語

名詞が語形変化したら、それを修飾している形容詞も同様の語形変化をする

よく知らないんだけど、これってロシア語とかもそうなんだっけ。

時間の表記が日本語より1時間小さい。半のとき

えーとこれ、具体的な例をメモり忘れたんで、うまく説明できないけど、たとえば「2時半」という表現をするとき、日本語では「2時」プラス「30分」という表現なわけだけど、フィンランド語だと「3時」マイナス「30分」みたいな表現をするということ。

小倉博行/ラテン語のしくみ(CDつき)

続いてヨーロッパと言えばこれだろうということでラテン語。前にちらっとラテン語の入門書を読んだときは、ラテン語は現在リアルタイムに使われている言葉ではないという事情もあり、例文が「あなたは笛吹きですか?」「いいえ、わたしは笛吹きではありません」てな具合でおかしかった。

高低アクセント

英語みたく強く言うことでアクセントを付ける(強勢アクセントというらしい)じゃなくて、日本語と同じく高低アクセントみたい。

アヌスは〜族からの養子という意味

そうかあ、そんな意味があったのかあと。

古代ローマ人は個人名のバリエーションが20ぐらいなので、略で十分

A.でAulus(アウルス)とか。名前ぐらい略さないで書いてやれとか思うけど。

語順がSCV

SOVという言い方の方が普通なんですかね。主語+目的語+動詞、という順番を取るということです。日本語と同じ。ちなみに英語とか中国語がSVOなんで、そっちが主流かと思いきや、こっちの語順の方が多いて聞いたことある。多いから何なんだって話はあるけど。

「はい」とか「いいえ」がない

「はい」とか「いいえ」がなくて、「です(Est.)」とか、「ではない(Non est.)」みたいに答える。

小文字はローマ帝国崩壊後

ローマ帝国があったころはローマ字に小文字はなかったらしいから、だとしたら、小文字はローマ字じゃないのかなと思った。

冠詞がない

意外と冠詞がない言葉って多いのかなあと思った。

格変化する部分が面白い

キケローは食べ、そして飲む」というのを、「Cicerō edit et bibit.」ということもできるけれど、「Cicerō edit bibitque.」ということもできる。「bibit」の部分の変化が面白いなということ。詳しい文法用語は載ってなかったので「格変化」じゃないのかも。

どうでも良いけど、例文に出てくる人名が「キケロ」とかだから笑える。

形容詞が後に来るときがある

後置修飾ってやつですね。

「その」に2種類ある

「iste」と「is」。「is」は、「さっき話題にした、その」というような意味。

「この本は良い」と「これは良い本だ」が同じ

どちらも「Hic liber bonus est.」となる。

名前まで格変化

これってロシア語もだっけ?

「ブルータスお前もか」が、「Et tu Brute!」となって、Brutus→Bruteと変化している。Buruteとか言われたら、Brutusも、一瞬自分のことかどうかわからんような気がするんだが。

グレゴリウス聖歌の歌詞の解説が良かった

けどもう忘れた。

警句にも良いものが多かった

わりと気に入ったのは、どこかの食堂に掲げられているという「APPETITVS RATIONI OBEDIANT.」という警句。「欲望が理性に従いますように」だそうです。腹八分、ということね。

青木順子ノルウェー語のしくみ

続いてノルウェー語。なんかヨーロッパの棚を歩いてたら、これも一応と思ったので。チェコ語と迷ったけど、とりあえずこちらで。

英語に似てる

同じゲルマン語派だしね。でも、本当、思ったより似てると思った。

発音が意外とルール複雑

で、そのルールはもう忘れた。

書き言葉がふたつある

昔、ノルウェーデンマークに支配されていたと。で、その関係で、デンマーク語にノルウェー語固有の表現やつづりを加えようとする「ブークモール」ってのと、西ノルウェーの方言を基礎にした「ニーノシュク」ってのがあるらしく、両方を使うらしい。で、話すときは、それぞれの方言を使うそうです。

声調がある

つっても、中国語みたいに、音節ひとつに高低があるんじゃなくて、単語に対して高低がある。高い音から始まって低い音で終わる単語と、低い音から始まって高い音で終わる単語は、別の意味になるということ。

合成語でかなり単語が長くなる

「kriminalromanforfatter」とか。「kriminal」=「犯罪の」、「roman」=「小説」、「forfatter」=「作家」だそうです。なんだこりゃーとか思いつつも、日本語って句読点はあっても分かち書きしない(スペースとかで区切らない)から、「それにしてもさっきはびっくりしましたよ」も同じようなもんかなと思ったけど、これは単語じゃないか。

sで始まる言葉が多い

基本動詞とか、sで始まる単語がたくさん。辞書はどうなってるのだろうか。

EU非加盟

知らなかった・・・。昔、学校で習っただろうに・・・。美嘉ちゃんに偉そうなこと言ってる場合じゃない気も、少しするね。

天気予報で最低気温が載らない

いや、ノルウェー語に関係ないけど。最低気温を載せると大変なことになるからって書いてあった覚えが。なんかすごい。

通常の疑問文のYesがJaで、否定の疑問文のYesがJo

2種類あんのか面白いなーと。ノルウェー人的には、「なんで日本人はどっちも『はい』なの?」って感じでしょうね。

息を吸いながら言う

これはびっくりですね。確か上のJoとかがそうだと思うんだけど。息を吸いながら言うらしいです。もう一度書くけどびっくり。ちなみにフィンランド語も、そういうことがあるらしい。

不定冠詞は頭に着くが、定冠詞を使う状況のときは名詞の語尾が変化する

不定冠詞は、「ある車」=「en bil」みたいになるけど、定冠詞を使う状況では、「その車」=「bilen」と、bilの「後ろ」に「en」が付くと。なんか、そういう状況で語尾が変化するのって、新鮮な感じ。

女性名詞を男性名詞として使っても良い

フェミニストは怒らないのでしょうか。あと、男性名詞は書き言葉的、女性名詞は話し言葉的だそうです。それから、不定冠詞は男性形が、定冠詞(的用法)は女性形が、それぞれ使われることが多いらしい。なんか面白いね。

ちなみに、「書き言葉的」=「デンマーク語に近い」ということらしい。

動詞の基本形のほとんどがeで終わる

まあそれ言ったら、日本語は全部uで終わるわけですが。ちなみにフィンランド語はaで終わるという話だったような気がする。

人称によって語形変化しない

印欧語なのに、偉い。

動詞が2番目

動詞の場所は2番目ということで決まってるらしいです。

「Jeg spiser fisk naa.」=「私はいま魚を食べる」の「いま」を強調して語頭に置きたいときでも、「Naa spiser jeg fisk.」となって、動詞の「spiser」は、やっぱり2番目。

格変化がない

印欧語なのに、偉い(これはちょっと違うか)。でも昔は、あったらしい。まあ、英語も、確か昔は名詞に性があったらしいし(記憶で書いてるから違うかも)、だんだん、言葉はラクするようになりますよね。

0がnull

プログラムとか書く人は「へえ」とか思えば良いと思います。nilは何語か知りません。

年月日の書き方

たとえば2008.2.3は、3.2.2008となる模様。

インターネットラジオの情報

http://www.lytte.noで、いろいろ聞けるらしい。

疲れた

なんか、結構書くこと多くて疲れたので今日はこのへんで。スワヒリ語のしくみ中国語のしくみインドネシア語のしくみイタリア語のしくみは、また今度。